フィギュアスケートのアイスショー「ドリーム・オン・アイス」が開幕した27日、出演した鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が囲み取材に応じた。
鍵山のコメント全文は次の通り。
―今日、新しいプログラムを観客の前で披露した。どんなお気持ちでしたか。
「そうですね、このドリーム・オン・アイス、試合形式で2年目で滑らせていただいたんですけれども、すごく緊張していて、舞台裏も何か全日本選手権前のような張り詰めた空気感がちょっとあって、それもやっぱりこのドリーム・オン・アイスの意図というか、シーズン前にこれをイメージできるのはすごくありがたいという点なので、すごくいい経験できましたし、初日はちょっとまだまだ全部開放していけなかった部分はあったんですけれども、でも表情とかお客さんの目を見て、アイコンタクトを取ったりとか、そういうところはしっかりとできたと思うので、そこは良かった」
―大トリを務めた。何か変化はあったんでしょうか。
「自分が一番最後だったので、あまり下手な演技はできないなと思って、ちょっと緊張していたんですけれども、まあまあ、まあまあかなというふうに思います」
―プログラムの名前とテーマを教えてください。
「タイトルは『I Wish(回想)』。スティービー・ワンダーさんが、『I Wish』というオリジナルの曲を出していて、それをピアニストの角野隼斗さんと、ギタリストのマッシンさんが、コラボでリメイクしたものを使用しています」
―テーマとして何か持っているものがありますか。
「特にストーリー性というものはないんですけれども、振付師のローリー・ニコル先生からは、ちょっと小じゃれた男性をイメージしてって言われました」

―見どころ、ポイントなどありましたら教えてください。
「そうですね、最初から最後まですごく軽快なジャズ調のプログラムになっているので、すごく楽しく盛り上がっていただけるところが見どころだと思いますし、ステップシークエンスもなかなかフィギュアスケートでは見られないような、陸上の動きだったりとか、ボディームーブメントもすごく使っているので、振り付けしたての時は全身筋肉痛になったんですけれども、今は少しずつ慣れてきたかなというふうに思うので、是非、見てくださる方とかは手拍子とかで盛り上げていただけるとすごくうれしいなと思います」
―ドリーム・オン・アイスはあと2日続きます。改めてどんな気持ちで臨まれますか。
「今日は自分の中で、ショートプログラムの点数をつけるとしたら、85点ぐらいなのかなと思うので、残りの3公演でしっかりと100点以上出せるような素晴らしいプログラムをこなすことと、あとは、本当に試合ではないので、プログラムを最初から最後までしっかりと楽しむ気持ちを忘れずに、でも、オリンピックの新シーズン前として、しっかりと自分のベストを尽くせるように頑張っていきたいです」
―その減点の部分は。
「4回転フリップを跳びたかったんですけど、回転が抜けてしまったところと、あとステップもちょっと足がもつれてしまう部分が少しあったので、そこはもうちょっといい感じに力を抜きながらやっていければいいかなと思います」
―演技を見ていて表情がものすごく晴れやかで、スケートに向かう気持ちで変化はあるか。
「元々この楽曲を選んだ理由に、ジャズっぽい明るい曲調をやりたいと最初に僕からローリーさんに言って、というのも、やっぱり(2022年)北京冬季オリンピックのショートプログラムがすごく自分に合っていると感じたので、またちょっと成長した自分らしいプログラムを見せたいと思ったので、同じ系統ではあるんだけど、若々しさというよりもちょっと成長したようなプログラムをしたかったなというふうに思いますし、まあ、先シーズンはなかなか自分の思うようなプログラム、試合、パフォーマンスができなかったので、今回は自分らしさ全開でショートもフリーもつくっていただいたので、『I Wish』という楽曲は、すごく自分のパーソナリティを100%出し切れるようなプログラムになっているので、そこは滑っていてすごく楽しいです」

―これまで表現をカロリナ・コストナーさん、ジャンプを父の正和コーチというチーム鍵山の体制でやっていたが、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックシーズンは。
「基本的にはチームの役割だとか、そういうものは変わらずにやっていきたいと思います。しっかりと前のシーズンの経験を得て、自分に今、何が必要なのかっていうことだったりとか、オリンピックで目標を達成するために今の自分には何が必要かということをしっかりとチーム内で話し合って、それをしっかりと強化していくということが、すごく大事になってくると思うので、そこら辺のコミュニケーションだったりとか、日々の成長につながっていけたらいいなと思います」
―小じゃれた男性を意識されていると。何か参考にされた方とかいらっしゃいますか。
「特にはないんですけど、ちょっと話すのは恥ずかしいんですけど(笑)、ローリー先生からは、女の子たちが自分に寄ってきて、調子乗っているっていうか酔いしれてるような感じをイメージしているので、ちょっとこう、いい意味で力を抜いてたりとか、そういう、にやってするところとか、そういうところをもっとやりたいです」
―オリンピックシーズンの意気込みをお聞かせください。
「僕は7月から試合に出る予定なので、グランプリ・シリーズ前に夏のローカル試合で自分の課題だとか、自分の悪いところっていうのを全て出し切って、グランプリ・シリーズからはしっかりと自分のベストの状態で戦えるように。オリンピック代表選考は全日本選手権だけじゃなくて、その前の1試合1試合から見られていると思うので、そこの1試合1試合、自分の全力を出し切って、オリンピックに少しずつつないでいけたら良いかなと思います」

―最大の目標を教えていただけますか。
「一番目指すべき場所というのは、オリンピックでの金メダルです。団体も個人も金メダルを目指しているので、そのために今から一日も無駄にすることなく、やっぱり、前のシーズンは自分に負けてばっかりのシーズンだったので、本当に一日一日過ごすごとに自分の反省点だったりとか、次につなげていくための課題というのを出して、日々充実した生活を送れるように、それを積み重ねていけば、自分の目標につながっていくのかなと思うので、まずは一日一日をしっかりと大事にして過ごしていきたいです」
―見ていた選手たちがすごくノリノリで踊っていたが、目に入っていましたか。
「全然全く目に入らなかったです(笑)。 周りをしっかり見ようと思っていたんですけど、お客さんの方はしっかりとアイコンタクト取れたかなと思っていたが、まさかみんなが見ているとは思っていなかったので、明日もまた見てくれていたら、まあ、にこっとしたいなと思います(笑)」
―希望としては、お客さんにも踊ってもらえるような。
「本当に盛り上がるようなプログラムになっていると思うので、お客さんだけが盛り上がるのではなくて、自分自身がやっぱり一番盛り上がっていかないと、お客さんも盛り上がっていいのかなというふうになっちゃうと思うので、みんな手拍子とかやってもいいなって思うくらいの表情をつくっていきたいです」
―北京オリンピックの頃から成長した姿を見せたいと。具体的にどんな成長した姿を見せたい。
「いろんなプログラムを滑ったりとか、いろんな経験をさせていただいて、18歳の時はすごく若さ全開で、っていう感じだったんですけど、今は22歳として、新たな自分らしさというのは生まれていると思うので、より大人っぽくというか、大人っぽい雰囲気を出せるようなプログラムを滑りたかったから、この曲を選んだと思いますし、変わっていない部分ももちろんたくさんあると思うんですけど、やっぱりいろんな経験をしたからこそ、ちょっと自分ではあまり感じないけど、周りから自信とか雰囲気とか変わっている部分ももちろんあると思うので、そこが成長している部分なのかなと思います」