フィギュアスケートの元世界王者、高橋大輔さんが総指揮したアイスショー「滑走屋~第二巻~」のリハーサルが公演初日の19日、福岡市のオーヴィジョンアイスアリーナ福岡で報道陣に公開された。中国神話の四神をテーマに物語をつづった高橋さんが「素晴らしい作品ができた」と誇る新作。自らは吉兆の神獣、麒麟を演じ「ストーリーをフィギュアで表現する」と意欲を示した。
村上佳菜子さんは「せりふや歌がない分、一人一人の表現力、表情が求められる」と語り、青木祐奈(MFアカデミー)は「今までと違った滑走屋をお見せできる」とアピール。北九州市出身の戸田晴登(東洋大)は「地元で盛り上げる演技を」と意気込んだ。
公演は22日までで、今季限りで引退した樋口新葉さんら計29人が出演する。
取材対応のコメント全文は次の通り。
「唯一無二のアイスショー」
―司会 よろしくお願いいたします。
高橋さん「本日はゲネプロにお集まりいただきありがとうございます。この『滑走屋』は、総勢29名でやらせていただいて、今までで一番多い人数でやっています。今回の『滑走屋』は、スタイルとして、ダークでスタイリッシュなものをお届けするというものなんですけれども、それにプラスアルファ、今回はストーリー性というものをフィギュアスケートで表現する。その中で、今回『四神』というものをテーマにやらせていただきました。僕が麒麟をして、村上佳菜子ちゃんが朱雀、(青木)祐奈ちゃんが青龍、今、戸田くんがいるんですけど、戸田くんは佳菜子の手下です、ふふふ(笑) 29人で7人それぞれのチームの人がいて、メインとしてはそうやってるんですけど、ソロパフォーマンスするスケーター以外は、白虎になったり、青龍になったりと、そういったところで展開していってですね。スタイリッシュな中に物語性をつくって、それをフィギュアスケートで表現して、物語を紡いでいくという形でやらせていただいてます」
―続いて、初回から出演している村上佳菜子さんから、仕上がりと手応えを伺いたいと思います。
村上さん「はい、私たちは本当に仕上がっています。今回、第二巻ということでストーリー性のある『滑走屋』に仕上がっているなと思っていて。セリフだったり歌だったりがない分、一人一人の表現力や表情など、いろんなものがすごく求められてくると思うんですけど、最初振り入れをした時は、みんな振りを覚えるだけで必死な部分もありました。29人いる中でフォーメーションだったり移動だったり、本当に気をつけなきゃいけないことがあって。本当に一人一人が支え合ってゲネでやってみた中で、一人一人の役や表情がすごく光っていて『これだったら、素晴らしいものを皆さんに本番でもお見せできる』と実感できたので、やっぱり唯一無二のアイスショーはこの『滑走屋』だなと改めて感じました」
―同じく初回から出演している青木祐奈さんから、第二巻への意気込みをお願いします。
青木「はい、初回から3回目になるんですけど、今回は第二巻ということで、今までとはまた違った『滑走屋』をお見せできるかなと思っています。ストーリー性がとても強くて、自分が滑っていても、そのストーリーを意識しながら、みんな滑っていると思うので、去年も見に来てくださった方にもまた新しいものをお見せできるのではないかなと思っています。本当にたくさん個性的なスケーターがそろっているので、その部分も楽しんでいただけたらうれしいです」
―滑走屋で唯一の福岡出身のスケーター、戸田晴登さんから意気込みとお気持ちをお願いします。
戸田「こんにちは。福岡県出身の戸田晴登です。僕が『滑走屋』を初めて見たのが、この福岡での公演で「あ、すごいな」「めちゃめちゃ出てみたいな」と思ったら、気付いたら出演側になっていて、本当にうれしいです。僕を選んでくれた大輔さんには感謝していて、期待に応えられるように頑張りたいです。あとは地元が福岡なので、盛り上げられるような演技ができればなと思います」
オーディションで要求したもの
(記者からの質問)
―オーディションで選考の際に重視した基準があれば教えてください。
高橋さん「今回は四つのグループに分かれているので、それぞれのキャラクター性などを見させていただきました。この『滑走屋』は、通常のアイスショーに比べると本当に覚えることが多くて、やらなければいけないことがたくさん。どれだけ振り付けを素早くキャッチできるか、どれだけ言われたことに対してどう表現できるかといった、スケートだけではない、スケートにはつながっていくんですけど、そういったところもオーディションで見ました」
―具体的に、オーディションではどのようなことを要求したのでしょうか。
高橋さん「まずは三つのパートに分けました。一つ目は「課題曲」。全員、同じ振り付けを2週間前に送って、覚え、見せてもらうもの。「自由演技」。それぞれが好きな、表現したい曲を1分ほど選んで滑ってもらうもの。あとは「フロア(陸上)」。振付の鈴木ゆまさんが1時間ほど教えて、どこまで早く覚えてできるか、というところを三つのカテゴリーに分かれてやらせていただきました」
―船橋での練習から松山での合宿など大変な道のりだったかと思います。4人の皆さんに、これまでの過程を振り返っての苦労があったか、乗り越えてきたこと、そして本番にかける思いを伺わせてください。
青木「船橋の練習から少し参加させていただきましたが、他のアイスショーだったり少し忙しかったんですけれど、事前に準備段階として動画をつくっていただいて、送っていただいた動画で松山に入るまでに自分の中でして、みんな自分だけじゃなくそれができていたと思うので、その部分ですごくスムーズに、振りが事前に入っているという前提で、松山でスタートできたと思うので、3年目だけあってスムーズに準備できていたかなと感じています。大変なところは、やっぱり振りを覚えるだけでなく、人数が多いので動線だったり、1人で滑るのとはまた違う立ち位置とかをすごく気を付けながらやるのが大変で、さらにこっちに来てスモークとかたかれると、立ち位置も感覚が変わっていて、すごく今そこに悩んでいます(苦笑)」
高橋さん「今回は青龍だったり、朱雀だったり。ま、前回の時はみんなで話し合ったんですけど、今回はトップのみんなが、それぞれのキャラクターをどう伝えていくか、かなりそれぞれで話し合ってくれました。そこで引っ張っていく、という意味では族長たちが大変だったと思います。今回29人でのフォーメーションは全体で滑る時に本当に危ないところも多く、それをどうクリアにするかに時間がかかりました。四つのマルチエンディングをつくったので、覚えることがより一層増えました。どの日にどのエンディングになってくるかは決まっているんですけれども、どう着替えて、どうあいさつするかとか、本当に覚えることがめちゃくちゃ大変だったので、制作していく中でも、物語があるので、それぞれキャラクターをつくっていく上で、プログラムも、こっちの方が先がいいんじゃないか、あっちの方がいいんじゃないかとか。曲選びも、なかなかこのナンバーだけ見つからないとか、かなり1回目に比べるとテーマがあるからこそ、ベストに持っていくのは僕は苦労しました。あとは多過ぎて把握し切れていない部分があって、みんなに迷惑をかけて申し訳ないと思っていますが、それでも必死に、たまには怒られながら、それでも必死についてきてくれて、みんなには感謝しかないです」
村上さん「私は船橋の練習からフルで参加させていただいたんですけど、ここまでつくり上げる段階から参加するのは初めてで。大輔さんも、ゆまさんも、村元哉中さんも、本当にみんなが120%でこの『滑走屋』をつくり上げているのを船橋の練習からひしひしと感じていました。私自身も他のテレビのお仕事や祐奈ちゃんの(優勝した)四大陸の解説をしながらの参加で、すごく自分自身を追い込むことも大変だったんですけど、だからこそ、今こうしてつくり上げられたと思っています。何より一番大変な高橋大輔さんが追い込んで、弱音も吐かずにみんなを引っ張って、時には厳しく(笑) なので、だからこそ私たちも少しでも助けになりたいという思いを一番に抱いて今回動くことができたと思います。まだこれから本番ですけど、一つ達成感を感じている部分です。最後までリーダーが引っ張ってくれると思うので、それぞれのリーダーとしても、私も朱雀を引っ張っていけるよう頑張りたいと思います」
戸田「大変だったことは、もちろん振り付けを覚えるのは大変でした。こうやって、みんな集まって、ニュアンスが違ったりして、そこを合わせるのが難しかったですね。でも、みんなで頑張ってやってきて、今は最高なんで、これは期待できます! 以上です。(周りは爆笑)」
「大輔さんのあらすじ共有でスイッチ入った」
―今までにないストーリー性がある中で、キャラクター、役柄をセリフのない中どう表現しようとしたのか、こだわったところを教えてください。
青木「私は『青龍』を務めさせていただいているんですが、島田高志郎くんと一緒に2トップで引っ張っていけたらと思っています。表現、最初はきれいな表現というイメージだけで、あまり具体的なイメージを持っていなかったんですが、振りをやったり、みんなで合わせていく中で、本当に表現を明確にみんなで持てたらな、ということで、一度オフアイスで話し合って、このナンバーはどういうイメージでどういう表現をしたらいいか話し合った。きれいなだけじゃなく、強さみたいなものも付け加えられたら、優雅さと、自然が好きな『青龍』というのを存分に表現したいなと話し合いました」
村上さん「私は『朱雀』をやらせていただいているんですけど、朱雀は正義や規律、その中にルールを守らないといけない苦しさもあった、でも厳しさもあったり、いろいろなものが入り交じった役柄だと思っています。だからこそ『白虎』は自由でイエーって感じで『玄武』はちょっと毒々しいイメージもあったりとか。だからこそ、朱雀はカチッと決めて、緩く動くところは一つもないということをチームに伝えました。私のソロの部分にみんなにも出ていただいていますが『振り向くだけでも、絶対にゆっくり振り向くところはないよ』と、まさに朱雀らしく、みんなにお願いして話しています。みんなも取ったことのないリズムも合わせてやっているので、難しい部分もあると思うんですけど、そこは私自身も気を付けてやっていますし、最初は正義とか規律という部分しか分からなかったんですけれど、大輔さんが全てのナンバーのあらすじをみんなに共有してくれて、その瞬間にみんなのスイッチが入ったなというのを感じたので、一人一人、今だからこそもう一回あらすじを見直して本番に臨めたらいいなと思います」
戸田「朱雀チームの戸田です。朱雀は正義やルール。それをスケートでどう表現するか悩みましたが、自分で答えを導き出してやっています。振り向くタイミングも『ぬるー』っとではなく、表現を意識してやっています」
高橋さん「麒麟さんは元々、どこかのチームから選ばれて麒麟になったんですけれど、お祭りがあることで(四神)役から降りた。そこからお祭りをどう感じ、どう終わっていくのかがフィナーレ。そのあとにエンディング。そういうったところで、僕自身はほとんどみんなと関わることはないんですけど、その中で個人として麒麟の気持ちを表現していく。それは役をやっていくうち、滑っていくうちに日々気持ちは変わるのかなと思うので、結構僕は自由にやっています。それぞれの四つのチームの目指すところは同じで素晴らしいんですけど、目指し方によって見える狂気とか、怖さだったり、全てそれぞれ違う方向性を向けば、違う怖さに見えてくる。そういうったところも表現してもらえればな、と思っています」
清水咲衣を抜てきした理由
―麒麟と四神の役割は発表されていたが、シルバーの衣装を着ていた清水咲衣さんの役柄は。初参加の彼女を抜てきした理由は。
高橋さん「そうですね、清水さんの役柄としては神様。最終的に降りてくる。僕が麒麟ということで。元々、こういったものをつくりたいとなった時に、四神となったら僕の立ち位置は麒麟だよなと。一つ上の大きな存在。最初は、本当はキッズのスケーターを使いたいと思っていたんですけど、福岡のキッズスケーターが試合とかぶちゃって誰も使えないとなっちゃって、変更を余儀なくされたんですけど…(苦笑) でも咲衣ちゃんのスケートを見た時に、神様いいなと思った時に、彼女のスケートはブレないですし、すごくそう感じていたので。実はその後に変更があって(三宅)咲綺ちゃんがこの役(神様)をやっていたんですけど、ケガで出演できなくなり、神様として元々いいと思っていた咲衣ちゃんを抜てきした形です。キッズスケーターを使おうと思っていたので、咲綺ちゃんは無邪気さだったりの表現がすごく上手で、ある意味、大人になっても無邪気さがあるのはすごい素晴らしいと思って、そういう方向性で咲綺ちゃんを神様に選んでいたんですけど、ケガがあって、元々の方向性の神様で、みんなとは違う存在感ということで思い浮かんだのが咲衣ちゃんしかいなくて、ということでした」


















