フィギュアスケートの名指導者として知られる山田満知子コーチは6月26日が82歳の誕生日。出身の愛知県を拠点に、これまで伊藤みどり、小岩井久美子、恩田美栄、中野友加里、浅田真央、村上佳菜子、宇野昌磨ら数々のスケーターを世界に送り出してきた。
名古屋市のホームリンク、大須観音に近い名古屋スポーツセンターでは、子どもの練習をリンクサイドで見守る親たちの姿がある。山田コーチは「私一人で教育しているわけじゃない」と語り、保護者を含めて「山田ファミリー」と親しみを込めて呼んでいる。
「心がきれいであれば自然と演技にも出る。周囲に愛される選手になってほしい」と訴え続け、60年を超えた指導歴で教え子は数百人に上る。2003年に還暦を迎えた際、門下生から贈られた金のブローチには「スケートのママ」の文字が添えられていたという。
現在は来年2月のミラノ・コルティナ冬季オリンピックを目指している男子の山本草太や女子の松生理乃、山下真瑚、ジュニアで期待の和田薫子らを指導。スケートへの愛情と熱意は82歳となっても衰えを知らない。
そんな山田満知子コーチの歩みを、教え子との写真や動画とともに振り返る。
伊藤みどり
【1992年アルベールビル冬季オリンピック 日本フィギュア界初のメダルとなる「銀」】



恩田美栄
【2002年ソルトレークシティー冬季オリンピックに出場】

浅田真央
【2005年世界ジュニア選手権で初出場優勝】

【2005年グランプリ(GP)ファイナルで初出場優勝】

浅田舞・浅田真央姉妹

村上佳菜子
【2010年全日本選手権 初表彰台の3位】

【2013年世界選手権 自己最高4位】

【2013年12月の全日本選手権 ソチ冬季オリンピック代表選考会】

【2014年ソチ冬季オリンピック出場】

宇野昌磨
【2014年12月の全日本選手権】

【2018年12月 全日本選手権】

山田満知子コーチの略歴
山田 満知子(やまだ・まちこ)名古屋市で生まれ、7歳からスケートを始めた。選手時代は国民体育大会(現在の国民スポーツ大会)で優勝。金城学院大に在学していた20歳から指導に携わり、愛知県を拠点にしたコーチ歴は60年を超えた。3回転半(トリプルアクセル)などジャンプの指導に定評があり、伊藤みどりを1992年アルベールビル冬季オリンピック銀メダリストに導いた。ジュニア時代の浅田真央のほか、2002年ソルトレークシティー冬季オリンピック代表の恩田美栄や中野友加里、宇野昌磨ら教え子は多数。1943年6月26日生まれ。