友野一希と第一住建グループ広報が明かす不思議な「縁」 偶然に偶然が重なった2017年の秋 全ての始まりはあの試合だった【銀盤の舞台裏① 3回続きの(上)】

NHK杯の男子フリーで「ウエストサイドストーリー」を演じる友野一希=2017年11月11日、大阪市中央体育館(撮影:鷺沢伊織)

 7月から、いよいよミラノ・コルティナ冬季オリンピックシーズンがスタート。フィギュアスケートの世界は、表舞台に立つスケーターだけでなく、コーチ、振付師、トレーナー、衣装デザイナー、所属企業や学校・クラブ、家族・友人…と多くの人が関わっています。「選手を知り 選手とつながり 選手を支える」がコンセプトのDeep Edge Plusは、銀盤で華やかに舞うスケーターを、陰ながら支えている方々にもスポットライトを当てていきたいと考えています。
 
 第1弾で取り上げるのは、友野一希選手を支援する第一住建グループと敏腕広報。どのような経緯で所属契約に至り、どのようなサポートをしているのか、友野選手の存在が社員に与えている影響とはー。友野選手の思いとともに、3回にわたってお届けします。
 

引き込まれた「友野ワールド」

 目当ての選手がいたわけではない。2017年11月。東京在住だった小林りえ子さんは、偶然訪れていた大阪で友人からフィギュアスケートの大会に誘われた。「たまたま誰かが行けなくなって、代わりに連れていかれたんですよ。すごい大会だから見に来た方がいいよって言われて」。土地勘がなく、会場への行き方も分からない。「たどり着ける気がしないから…」と気乗りしない小林さんを友人が出迎え、大阪市中央体育館へと連れて行ってくれた。グランプリ(GP)シリーズのNHK杯。この日が全ての始まりだった。

井上 将志

この記事を書いた人

井上 将志 (いのうえ・まさし)

2003年共同通信入社。名古屋でプロ野球中日、フィギュアスケート、本社運動部でフィギュア、体操、東京五輪組織委員会を中心に担当。五輪は10年バンクーバーから夏冬計7大会を取材した。ジュネーブ支局時代は欧州を中心に世界各地をカバー。東京都出身。