フリーのみで争うサイニチホールディングス杯 第10回彩の国Springフィギュアスケート競技会は5日、埼玉県上尾市の埼玉アイスアリーナで行われ、女子は来年のミラノ・コルティナ冬季五輪出場を目指す渡辺倫果(三和建装・法大)が127・74点で優勝した。

渡辺の主なコメントは次の通り。
―フリーは今回で滑り納め。
「はい。来季は(2022-2023年シーズンの)「JIN―仁―」に戻すんですけど」
―フリーを?
「はい、プログラムは元々、キャシー・リード先生が振り付けてくださったやつをちょっと、曲をちょっとだけ変更して、今回は宮本賢二先生に振り付けしてもらったんですけど。それが2日前、3日前に新しいプログラムが出来上がって、どっちで滑ろうかなと思ったんですけど、ちょっとまだ慣れてないんで、今回はそのまま今季のものを滑ったので、これは滑り納めになるかな。一応、(今季の)マリアとJINの両方を持っている状態で、来シーズンいこうかなと思っているんですけど、おそらくJINに完全変えるかな」
―世界選手権に初出場した縁起がいいプログラム。
「そうですね。自分の中でもやっぱりいいイメージを持っていますし、マリアとJINで、やっぱいろんな方に聞いて、どっちの方がいいと思いますかって聞き回っても、ほとんど全員がJINの方がいいって言ってくださったので、じゃあJINにしようかなっていうのと、自分の中でも滑り切れるっていうイメージが湧いたので」
―前回の紫の衣装でまた。
「新たに母親が衣装を作ってくれています」
―衣装はいつもお母さんが作ってくれている。
「マリアの衣装と、ここ2、3シーズンはずっと折原さんにやっていただいたんですけれども、JINは母親がすごく好きなので『これは私がやりたい』ってことで。来シーズンはショートプログラム(SP)とフリーを母親にやってもらおうかなって」
「美大卒なんで、油絵専門なんですけれども元々、手はずっと器用なので、それで衣装とか、大学の授業だか何だかで着物を作ったりとか、いろいろしているみたいで。小さい頃から手先は器用だったみたいで、それで衣装を作るのも好きなのでやってくれています」
―SPは変える。
「変えました。『Get Lost』っていう最近、映画『モアナと伝説の海2』のものなんですけど、去年の12月とか11月ぐらいに公開された映画の中の曲で、全日本選手権の男子フリーをやっている時に映画を見に行って女子は中日があったので、母親と見に行って、それで母親が『この曲いいじゃん、やってよ』と言って、『あ、分かった』みたいな感じで(笑)」

―フリーは別のものをつくっていた。
「いや、マリアでいくつもりだったんですよ。継続するつもりでずっといたんですけど、ある日突然、JINやっぱりいいなと思って。(グランプリ・シリーズで初出場優勝した2022年の)スケートカナダの時の映像とか見ても、やっぱりJINの方が自分の中でも頑張りきれるかなっていうイメージが湧いたので、そこで大人の周りの方々の意見を聞いたら、もう全員が全員JINの方がいいって言ってくださったので。JINをリニューアルした」
―SPはどういう音楽なのか。
「すっごくアップテンポな曲なんですけど、ただ、明るいんですけど、歌詞としてはすごく結構深い意味があって、人生別に迷ってもいいじゃないっていう感じの曲で、道は別に一つじゃないんだから、どんな道に行っても別に誰かがとやかく言うことじゃないみたいな感じのものをすごく明るく言っている。歌詞自体はすごく深い意味があるので、自分のこのシーズン戦う中でもすごく励みになる曲じゃないかなと思うので、母親もすごく気に入ってくれたので、この曲にしました」
―オリンピックシーズンがいよいよ始まりますけど、激しい女子の争いが待っていると思います。
「もちろん気にしていないわけでもないですし、もちろん狙っていないと言ったら、うそにはなりますけれども、ただ、今年の全日本の時にオリンピックに行きたいですっていうふうに言えるような立場にまずいることが重要だと思うので、まずはこの夏だったり、グランプリ・シリーズを通して、自分がその舞台に立てるイメージをつかめるように、この夏からグランプリ・シリーズにかけてはしっかりやっていきたいと思っていますし、その中で4回転サルコーとかの習得っていうのもしっかりできればなと思います」
―4回転サルコーは練習では降りている。
「あとちょっとです!」
―以前は4回転ループをやっていると言っていた。
「ループだったんですけれども、4回転サルコーの方が習得が視野に多分入れやすいと思うって言われて、その後に4回転ループだったら、たぶんできるんじゃないっていうのを言ってもらって今、4回転サルコー習得を目指してやっているんですよ。あと少し、続けていれば確実に降りられるだろうなっていうところまでは来ている」