アイスダンスで世界選手権を3連覇した米国のマディソン・チョック、エバン・ベーツ組が世界国別対抗戦で来日した4月、共同通信の単独インタビューに応じた。昨年6月に結婚したことで演技にもたらした変化や同じ拠点で練習する「あずしん」こと田中梓沙、西山真瑚組(オリエンタルバイオ)へのエール、日本のアイスダンスが強くなるために必要なことなどを語った。(聞き手 品川絵里)
―世界選手権で3連覇を達成し、来年のミラノ・コルティナ冬季五輪での金メダル獲得はより明確な目標になりましたか。
チョック「五輪で金メダルを獲得することは、私たちにとってキャリアにおける最大の目標の一つであり続けています。パートナーシップを結んだ当初から、その気持ちは変わっていません。世界選手権を3連覇できたのは、本当に夢がかなったような出来事で、ただ夢見ていたことが現実になったという感覚です。正直、こんなふうになるなんて、全く想像もしていなかったです。メダルを取ったことだけでなく、スケート人生の旅路そのものや、スケートを通じた個人としての成長、そして2人の関係の成長など、さまざまな意味で満たされた経験になりました。それぞれが異なる形で『勝利』だったと思っています。そして、これら全てをエバンと一緒に経験できたことに、本当に幸せに感じます」
―1月にフィギュア関係者28人の命を奪った旅客機事故がありました。この事故によって、スケートに対する向き合い方に変化をもたらしましたか。
チョック「あの出来事によって、スケート界、そしてスケートファミリーは自らを見つめ直すきっかけになったと思います。予期せぬ悲劇に直面し、私たちはお互いに支え合わなければなりませんでした。今ある瞬間、互いの存在、スポーツそのものを、もっと大切にしなければならないと強く感じるようになりました。未来に何が起こるなんて、誰も分からないですから。この瞬間は当たり前ではないと心から思います」
