３枠の女子代表争いで千葉が正念場を迎える。日本勢上位２人に入れば初五輪に前進できた今月のＧＰファイナルは、ＳＰ首位から５位に沈んだ。初制覇を含むＧＰシリーズ２連勝の勢いは止まり、中井と坂本を追いかける立場に後退。「背水の陣」と自覚し「スケート人生で一番、結果が重視される全日本。全身全霊でいくしかない」と並々ならぬ覚悟で臨む。

　ファイナルのフリーで転んだ苦手な３回転サルコーは、この日も転倒と不安を残した。それでも「今日のうちに違和感をしっかり出して、体の動きを見ながら修正できた」と努めて前向きだ。五輪を目標に、生まれ育った仙台市を離れて京都府に拠点を移した昨季の世界選手権銅メダリスト。昨年４位の大会へ「最善を尽くしてきた」との自信を心の支えにする。

　総合力が武器の千葉に対し、ライバルは大技を切り札に一発逆転を期す。ＧＰ２戦で表彰台の渡辺はフリーでジャンプの順番を入れ替え、トリプルアクセルは「百発百中に持っていける。スケート人生の２０年間で一番仕上がっている」。住吉も４回転トーループが「今季一番いい状態」と手応え十分で、ハイレベルな戦いを予感させた。