フィギュアスケートで引退していた男子の宇野昌磨さん(28)と女子の本田真凜さん(24)が22日、ともに現役復帰してアイスダンスに挑戦し、冬季オリンピックを目指すことを発表した。オリンピックメダリストの宇野さんによるアイスダンス参戦で、国内競技会の競争はより激しくなることが予想され、ファンからは「アイスダンス戦国時代」「こんな時代が来るとは…」といった声が上がっている。
かつては2007-08年シーズンの全日本選手権に、エントリーしたのがキャシー・リード、クリス・リード組の1組のみという時代もあったアイスダンス競技。来シーズンは、少なくとも5組が参加予定で、宇野さんをはじめ、シングルで国際大会の表彰台に上がった実力者が多いのが特徴だ。シングルからの転向では、2010年バンクーバー冬季オリンピック銅メダルの高橋大輔さんが村元哉中さんと組み、2023年世界選手権で11位と日本勢最高の成績を残している。ただ、来シーズンの世界選手権の出場枠は1組だけのため、国内予選は、まさに〝戦国時代〟さながらの激しい戦いとなりそうだ。
さらに、世界的に見れば、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックで日本は個人での出場枠を逃しており、ジャッジの評価を得るまでに時間がかかるとされるアイスダンスの長期的な視点での育成、強化は必至だ。競争に伴って底上げが進むとともに、国際大会への派遣を増やすなど後押しも必要となる。
2026-27年シーズンにアイスダンス競技に参加する主なカップル
「しょまりん」本田真凜、宇野昌磨組
宇野さんと本田さんの2人は、昨年から宇野さんがプロデュースするアイスショーで組んで、アイスダンスを披露していた。宇野さんは、2016年に4回転フリップを世界初成功。冬季オリンピックは2018年平昌で個人「銀」、2022年北京で個人「銅」、団体「銀」のメダルを獲得した。世界選手権は2022、2023年に日本男子初の2連覇。全日本選手権は男子歴代2位の通算6度制覇を果たした。一方、本田さんは2015~2016年シーズンにジュニア・グランプリ(GP)・ファイナルで3位、世界ジュニア選手権を初制覇。2016年全日本選手権で自己最高の4位に入った。22日の会見で、2人はすでにファンに浸透している「しょまりん」の愛称で活動する考えを明らかにした。
「うたまさ」吉田唄菜、森田真沙也組
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックで団体メンバーとして銀メダルを獲得した、ともに22歳の吉田唄菜、森田真沙也組(木下アカデミー)は、結成3季目で愛称は「うたまさ」。吉田は小学6年の終わり、森田は中学1年の終わりからアイスダンスを始めた。互いにパートナーを変えながら、巡り合ったのは2023年4月。それまでほとんど会話をしたことはなかったが、森田からのアプローチが結成のきっかけとなった。冬季アジア大会優勝、全日本選手権は昨年まで2連覇。今年3月の世界選手権は19位だった。
「いくこう」櫛田育良、島田高志郎組
昨年5月に結成した、愛称「いくこう」の櫛田育良(木下アカデミー、18歳)、島田高志郎(木下グループ、24歳)組は、初出場の昨年の全日本選手権で2位。シングルとして全日本選手権2位、グランプリ(GP)シリーズフランス大会2位の実績がある島田が176センチ、2024年世界ジュニア選手権5位の櫛田は167センチと、互いにすらっとした長身のカップルだ。櫛田は今シーズンはシングルとアイスダンスの〝二刀流〟だったが、2026ー27シーズンはアイスダンスに専念し、世界選手権出場を目標に掲げている。
「りかしん」紀平梨花、西山真瑚組
シングルで全日本選手権2連覇、GPファイナル優勝などの実績がある紀平梨花(23)がアイスダンスに転向し、別のパートナーとアイスダンスで冬季アジア大会銅メダルを獲得した西山真瑚(オリエンタルバイオ、24歳)と、昨年9月に結成した愛称「りかしん」。昨年の全日本選手権では、フリーのリフトでのミスが響き5組中4位だったが、目標は2030年冬季オリンピック出場だ。
「かほゆう」山下珂歩、永田裕人組
ノービス時代の2019年に結成し、カップル歴が5組の中で最も長いのが、ともに21歳の山下珂歩、永田裕人組。アイスダンスで2019年に全日本ノービス選手権を優勝、昨年全日本ジュニア選手権を優勝し、今年3月に初出場した世界ジュニア選手権は14位だった。2026ー27シーズンにシニアデビューする2人の目標は「全日本選手権の表彰台に乗ること」だ。











