鍵山は最後のポーズを決めると、拳を振り下ろして感情を爆発させた。非公認ながらフリーで今季の自己最高を約13点上回る好演を披露し「全日本の独特の緊張感に負けない演技ができた」。左足首の故障を抱えて8位だった昨年の悔しさを晴らし、世界選手権の代表復帰に大きく近づいた。
最終組でただ一人、4回転ジャンプが2本だけの構成。「全部の(要素で)出来栄え点やレベルを取ろうと全力でやった」と質の高さで勝負した。SPで転倒した冒頭の4回転サルコーは4・30点の加点を引き出した。勢いに乗り、4回転トーループを含む連続ジャンプも成功させた。
「気づいたら体力がなくなった」と終盤のステップでつまずき、心残りもある。今後は4回転の本数を増やす構想を明かし「今までの自分を超えていけるように」と成長を期した。(大島)