フィギュアスケートの日本スケート連盟強化選手が出演する毎年恒例のアイスショー「ドリーム・オン・アイス」が新たな試みを始めた。2004年の第1回から節目の20年を機に、実戦形式を導入。世界女王の坂本花織(さかもと・かおり)(シスメックス)ら選手の反応は上々だった。
6月下旬のコーセー新横浜スケートセンター。ショーでは通例の、照明を落として暗くする演出は行わなかった。競技会と同様に組ごとに演技直前の6分間練習を実施。公演初日は男女シニアの練習を観客に公開した。
採点はされなかったものの、出番前の選手は緊張の様子。男子で3月の世界選手権2位の鍵山優真(かぎやま・ゆうま)(オリエンタルバイオ・中京大)は新シーズンのショートプログラム(SP)を滑り「試合のようなマインドで臨んだ。見ている人に(大台の得点となる)100点以上を出してもらえるようなパフォーマンスが目標」と高い意識で演じた。
ショーは元々、大会以外にも観客に演技を見てもらえる機会を提供し、選手強化や育成を後押しする目的でスタートした。この趣旨をより意識した主催者が、今回のリニューアルに踏み切ったという。今季の世界選手権で4連覇が懸かる坂本もタンゴの新SPを披露し「どのように練習して本番に(向けて)仕上げるか、というところも見てもらえて良かった」と歓迎した。(大島)


