衝撃の発表から一夜 島田高志郎が語ったアイスダンス転向の真意とは 愛称候補は『いくこー』 『くしまだ』 『いくしろー』

イベントに出席した島田高志郎(撮影:品川絵里)

 衝撃の発表から一夜明けた10日。フィギュアスケートで男子からアイスダンスに転向した島田高志郎(23)=木下グループ=が、名古屋市内で参加したイベントで新たな挑戦に踏み切った理由を語った。
 2022年全日本選手権2位、今シーズンもグランプリ(GP)シリーズのフランス大会でGP初表彰台の2位となった実力者は、なぜシングルに別れを告げたのか。櫛田育良(17)=木下アカデミー=と新カップルを結成して臨む新シーズンへ「土台作り、鍛錬あるのみ」と決意を色紙にしたためた。

イベントに出席した島田高志郎(撮影:品川絵里)

 「私自身、本当に覚悟を持って、これからまだまだスケートを何十年と続けていくことになると思いますので、スケートが大好きだという思いを皆さまと変わらずずっと持ち続けて、みんなでスケートを楽しもうという思いでやっておりますので、そういった幸せな時間を共有できればなというふうに思います。応援をよろしくお願いいたします」
 
 島田は「何十年」という言葉で、スケートに生涯をささげる覚悟を口にした。4回転ジャンプを跳び、ステファン・ランビエル・コーチの指導で年々磨かれてきた滑りは見る者を引きつける。男子シングルでまだまだ成長を期待できる〝伸びしろ〟は十分にあったが、何よりも「ずっとアイスダンスに憧れがあった」という本心に正直になった。
 
 「股関節のけがだったりとかで、自分には(アイスダンス挑戦は)無理なんだろうなという思いもありつつ、やってみたいという思いもありつつであったのが、自分の中でその頑張りたいという思いを(強くする)きっかけがたくさんありまして…。それこそ将来的にはコーチだったり振付師とか、スケートにずっと携わっていく。自分の中で思い描いている中で、それまでに何かできるかなと思った時に、アイスダンスという結果、自分の中で強い覚悟を持ってやれるんじゃないかという思いがあったので、今回そういった決断をさせていただきました」

笑顔の島田高志郎ら(撮影:品川絵里)

「とにかくトレーニングに励んでいる」

 シングルからアイスダンスへの挑戦と言えば、元世界王者の高橋大輔さんが記憶に新しいだろう。引退、現役復帰を経て男子から種目を転向し、村元哉中さんとのコンビで2022年四大陸選手権2位、2023年世界選手権11位と日本勢最高位をマークするまでに飛躍を遂げた。高橋さんが総指揮したアイスショー「滑走屋」で、島田はアイスダンスの先輩から直接指導を受けながら櫛田と一緒に練習。『土台作り、鍛錬あるのみ』と目標を掲げたのも「人(櫛田)を担ぐために、とにかくトレーニングに励んでいる」という現状を反映させたものだ。
 
 村元、高橋組は現役時代から「かなだい」の愛称で親しまれてきた。注目の櫛田育良、島田高志郎組は何と呼べばいいだろうか。そんな質問に「自分たち2人でも全然決まってなくて、今は京都でキャシー(・リード)先生にずっと教えていただいているんですけど、もう『いくこー』ってずっと叫ばれながらやっているので『いくこー』か『くしまだ』か『いくしろー』とか。いろいろ案はあるんですけど、何も決まってないです」と答えた。
 
 新カップルの初演技は8月30、31日のアイスショー「フレンズオンアイス」(横浜市)になる予定。この日はファンとの交流を楽しみ「普段スポーツに熱中している身としましては、普段応援してくださっている方々と、一つのイベントとして、そのつながりが目に見える形としてイベントで表現されているというところに本当に感謝したいなと思います」と活力を得た様子だった。

品川 絵里

この記事を書いた人

品川 絵里 (しながわ・えり)

2018年に入社し、大分支局を経て20年から東京、大阪、名古屋でスポーツを取材。現在はプロ野球中日、フィギュアスケートなどを担当している。中高は創作ダンス部で、趣味は宝塚歌劇やミュージカル、中韓ドラマの鑑賞。