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【独自】フィギュア音楽の著作権で混乱  無断使用が訴訟に発展 日本スケート連盟通達、演目変更迫られるケースも 町田樹さん「連盟が環境整備を」

 ジュニア男子フリーで演技する西野太翔。著作権問題への懸念で4月の大会から音楽を変更した=4日、埼玉県上尾市の埼玉アイスアリーナ

 フィギュアスケートで使用する音楽の著作権を巡り、日本スケート連盟が強化選手に対して権利許諾を得ることの徹底を求める通達を出していたことが17日、関係者への取材で分かった。海外の選手が、無断使用は権利侵害だとアーティストから訴えられたトラブルを踏まえた対策。著作権者から許可を得られずに演目変更を迫られたケースもあり、来年2月にミラノ・コルティナ冬季五輪が控える新シーズンを前に混乱が広がっている。

 日本連盟は、注目度が高まる五輪シーズンを見据え「競技会に出場する際に、これまでよりも厳しく音楽の権利処理が問われることになる可能性がある」と通達で強調した。国際スケート連盟(ISU)の方針を受け、ISUの提携企業を通じて選手側が権利処理を済ませるよう促している。

 申請を却下されることもあり、選手やコーチは対応に苦慮する。提携企業に未登録の曲は権利者を自ら捜さなければならず、申請費用を含めて負担となっている。

 かつては著作権の保護期間を過ぎたクラシック音楽で滑る選手が多く、権利への意識が希薄で体制も整備されていなかった。2014~15年シーズンにボーカル入りの楽曲使用が解禁されて以降、問題が顕在化。22年には北京冬季五輪の米国ペア代表選手や同国協会が、著作権を侵害したとして訴訟に巻き込まれた。関係者によると、日本国内で演目の差し止めを求められた例もある。