フィギュアスケートのアイスダンスで新カップルを結成した櫛田育良(木下アカデミー)島田高志郎(木下グループ)組が23日、長野県軽井沢町風越公園アイスアリーナで行われた第4回クリス・リード杯で上々の実戦デビューを果たした。女子シングルとの二刀流に挑戦している櫛田と、男子シングルから転向した島田の愛称「いくこう」コンビが、目標の2030年冬季オリンピックへ第一歩を刻んだ。

オンラインジャッジによる非公式戦(得点は10月4日に発表予定)で、エントリー1組のシニア・リズムダンス(RD)に出場。初の実戦を終えて島田が「めっちゃ緊張していたと思う」と安堵感を示すと、櫛田は「ちょっと緊張した」。島田がすかさず「ちょっとかーー!」とツッコミを入れ、報道陣を笑わせた。
最後に島田がバランスを崩す場面はあったが、2人そろってターンを繰り返すツイズルやリフト、切れのある踊りで観客から拍手をもらった。キャシー・リード・コーチからは「頑張ったね。良かったよ」とねぎらわれたという。島田は「こうやって試合を経験できたことが大きな糧」と収穫を口にした。
公式戦デビューは11月1~3日の西日本選手権(大津)となる予定。「いくこう」は今シーズンの全日本選手権(12月・東京)で四大陸選手権(来年1月・北京)代表入りを目指す考えを示している。

クリス・リード杯は2020年に亡くなった元日本代表のクリス・リードさんをしのび、アイスダンスの普及や競技力向上を願って愛好家にも門戸を開いている大会。演技後は姉のキャシー・リード・コーチ、櫛田、島田組や木下アカデミー所属の柴山歩、木村智貴組が、リンクサイドに飾られたクリスさんの現役時代の衣装とともに写真撮影する場面もあった。
島田は「クリスの衣装が飾られているのを見て、すごく感慨深いと言いますか、キャシーとクリスが紡いでいったアイスダンスの歴史というのももちろん、大会も今回でもう4回目ですかね。アイスダンサーとして試合に出ていく自分たちがすごく不思議だなというか、すごくうれしいなというのと、その歴史を感じられてすごく光栄だなと思いました」と語った。
