江戸時代から続く絹織物「仙台平」の織り手で重要無形文化財保持者(人間国宝)の甲田綏郎(こうだ・よしお)さんが11日午前9時59分、仙台市の介護施設で死去した。96歳。仙台市出身。家族葬を行った。喪主は妻しもさん。
同じく人間国宝だった父栄佑氏に師事。1970年、栄佑氏の死去に伴い家業の合資会社本場仙台平工場(現・合資会社仙台平)を継承した。2002年、人間国宝に認定された。
仙台平は江戸時代、仙台藩の保護下で発展した絹織物で、高級はかまに用いられる。縦糸にぬらした横糸を通して強く打ち込み、生地の硬さと柔らかさを両立させるのが特徴。
フィギュアスケート男子で冬季オリンピックを2連覇した羽生結弦(はにゅう・ゆづる)さんが18年の国民栄誉賞授与式に、甲田氏から贈られたはかまをまとって出席し話題となった。
人間国宝の甲田綏郎さん死去 仙台平織り手、羽生結弦さん着用
