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2025.12.19

三浦佳生、残り1枠のオリンピック代表争い抜け出す 恐怖心乗り越えて安堵の涙 【全日本フィギュア男子SP】

 男子SPの演技を終え、ガッツポーズする三浦佳生=国立代々木競技場

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 フィギュアスケートのミラノ・コルティナ冬季五輪代表最終選考会を兼ねる全日本選手権は19日、東京・国立代々木競技場で開幕し、男子ショートプログラム(SP)で初代表を狙う三浦佳生(みうら・かお)(オリエンタルバイオ・明大)が95・65点で2位につけた。


 今季不安定だったSPをミスなく演じ切ると、三浦は握った両拳を何度も振るった。95点を超える上々の得点に、安堵(あんど)の涙があふれる。「諦めず、過去一番追い込んできた。負けない気持ちを出せた」。実質的に残り1枚の五輪切符争いでライバル友野に7・60点差と大きくリード。初代表へ頭一つ抜け出した。

 初めて五輪を目指す全日本。会場に向かう車で恐怖心に襲われた。「やってきたことを全部信じろ」と自らに言い聞かせ、落ち着きを取り戻せたのは演技開始の「2秒前」。圧倒的なスピードに乗ったまま全てのジャンプを決め、冒頭の4回転―3回転は3・46点もの加点を引き出した。

 左太ももの故障に苦しみ、今季のGP初戦は自己最低の10位。「代表選考から漏れる」と危機感を募らせ、初めてメンタルトレーニングを取り入れた。効果はてきめん。心の安定がどん底からの浮上につながった。

 羽生結弦(はにゅう・ゆづる)さんを指導した都築章一郎(つづき・しょういちろう)氏に基礎を教え込まれ、アイスダンス出身の佐藤紀子(さとう・のりこ)コーチが飛躍に導いてくれた。「もう一度いい演技をして感謝を伝えたい」。フリーはうれし涙を流す。(品川)

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