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2025.12.20

鍵山優真、苦しみながら2連覇 「世界一」の滑りでオリンピックへ

全日本選手権 鍵山 優真

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 苦しみながらもエースの座を守り、ミラノ行きの切符を一番乗りで射止めた。鍵山は得点源の4回転トーループとトリプルアクセル(3回転半)を含む連続ジャンプで大きなミスが出て「まだまだ弱いな」と悔し涙を流したが、ジャッジから「世界一美しい」と評される滑りの技術でカバー。SP首位の貯金で逃げ切り、表彰台で胸をなで下ろした。

 2連覇の要因は「どんな状況になっても(高い)得点が出る滑り」を追い求めてきたからだ。昨季から氷上に図形を描く「コンパルソリー」という練習を毎日のように取り入れ、スケート靴の刃を細かく、複雑に操るエッジワークを磨いた。

 フリーの4回転ジャンプは昨季よりも1本少ない。それでも、五輪開催国イタリアのオペラ「トゥーランドット」の音楽で滑る演目の振り付けを「史上最高難度」と誇るほど細部にまでこだわった。表現力を10点満点で評価する3項目の演技点で「スケート技術」は9・36点と出色だった。

 前回北京冬季五輪で銀メダルを獲得し「次は『金』しかない」と誓った。羽生結弦(はにゅう・ゆづる)、宇野昌磨(うの・しょうま)が競技生活に終止符を打ち、後継者として重圧を背負う日々。「理想のエース像にまだ到達できていない」と受け入れつつ、別次元の高難度ジャンプで君臨する世界王者、マリニン(米国)と争う大一番へ「信頼されるスケーターになれるようにもっと高みを目指したい」。己のスケートを極めて頂点に挑み続ける。(藤原慎)

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