【ジュネーブ共同】ロシア・フィギュアスケート連盟が2010年以降に国外へ流出した選手数を「500人以上」と算出していることが29日、複数の関係者への取材で分かった。多くの五輪金メダリストを生む「王国」として知られ、厳しい代表争いを避けて活躍の場を他国に求めていることが主な要因。ロシアはウクライナ侵攻によって22年3月以降は国際大会から除外され、これが契機となった選手もいる。
今季グランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯で女子2位のソフィア・サモデルキナは大会除外を受け、24年からカザフスタン代表として出場している。国際スケート連盟(ISU)の規定では、国籍がなくても1年間の居住などの条件を満たせば連盟を変更して大会に出ることが可能。ロシア連盟幹部は「規則を厳しくする必要がある」と訴えている。
算出した人数にはジュニア選手も含まれ、流出先は欧州を中心に北米、アジアなど約50カ国。この問題に詳しい関係者は、受け入れ側は競技力向上に加え、好成績によって国内組織から補助金を得る目的もあると説明。提出書類の偽造が疑われるケースもあり「選手を『輸入』した方が安上がりだと捉えている。育成システムを壊すことになり、競技発展につながらない」と指摘した。
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