ニュース

2026.06.10

羽生結弦さん、震災伝承の舞 自ら振り付け、ゆず『幾重』で特別コラボ 「未来に向かって歩き出す」

NHK東日本大震災15年 震災伝承ソング「幾重」 コラボ企画で自作の演目を披露した羽生結弦さんⓒNHK

SNSでシェア

 フィギュアスケート男子で冬季オリンピック2連覇を果たした仙台市出身の羽生結弦さん(31)が、人気デュオ「ゆず」制作の東日本大震災伝承ソング「幾重」に合わせた自作の演目を披露した。震災から15年。自らも避難所生活を経験した羽生さんは「まだ苦しいという方々の傷に寄り添いながらも、少しでも未来が明るくなるようにと祈りを込めて滑った」と思いを語った。

NHK東日本大震災15年 震災伝承ソング「幾重」コラボ企画で自作の演目を披露した羽生結弦さんⓒNHK


 今回の特別コラボレーションは、震災の記憶や教訓を次世代につなごうとNHKが企画。「東日本大震災15年」をテーマに楽曲を制作するに当たり、ゆずの北川悠仁さん(49)と岩沢厚治さん(49)は宮城県石巻市の震災遺構「大川小学校」や「門脇小学校」、福島県の双葉町や浪江町を訪ね、被災者の声に耳を傾けたという。作曲・編曲には、羽生さんのアイスショーで音楽を担当した原摩利彦さんが加わった。

ⓒNHK

 羽生さんは「幾重」に勇気づけられたという。振り付けのため500回以上も楽曲を聞き「いろんな思い、人生が見えてくる気がした。被災体験を見つめ直し、つらい記憶とうまく付き合い、自分自身も未来に向かって歩き出すきっかけになった」と意義を口にした。

NHK東日本大震災15年 震災伝承ソング「幾重」コラボ企画で自作の演目を披露した羽生結弦さんⓒNHK

 約4分半の音楽に合わせてジャンプを多く盛り込み「(メロディーが)幾重にも重なっていく力強さ、ゆずさんの声の伸びやかさをジャンプで表現したいと思った」と説明。エッジを深く倒し、氷面すれすれの低い姿勢で滑るハイドロブレ-ディングや柔軟性を生かしたイナバウアー、バレエジャンプ、スパイラル、ビールマンスピンと、多彩な技を惜しみなくちりばめた。持ち味のスピード感あふれるスケーティングはあえて封印。「走り出すわけではなく、一歩ずつ歩んでいく。丁寧に氷を感じながら滑った」と狙いを明かした。

NHK東日本大震災15年 震災伝承ソング「幾重」コラボ企画で自作の演目を披露した羽生結弦さんⓒNHK

 羽生さんの演技やインタビューは11日(木)と12日(金)に宮城県域のニュース・情報番組「てれまさ」(午後6時10分)の「TOHOKU HEARTコーナー」で放送予定で、インターネット配信サービス「NHK ONE」でも視聴可能となる。

NHK東日本大震災15年 震災伝承ソング「幾重」コラボ企画で取材に応じる羽生結弦さんⓒNHK

【放送予定】

▽「てれまさ」
6月11日(木)、12日(金)放送予定(午後6時10分、宮城県域放送)
TOHOKU HEART コーナーで放送
※「NHK ONE」で、見逃し配信(放送後1週間)でご覧いただけます。

▽「午後LIVE ニュースーン」
6月24日(水)放送予定(午後3時10分、全国放送)
※「NHK ONE」で、同時・見逃し配信(放送後1週間)でご覧いただけます。

このほか、全国放送の番組やミニ番組等でも放送予定。

NHK東日本大震災15年 震災伝承ソング「幾重」

作詩:北川悠仁 作曲:北川悠仁 / 原 摩利彦
編曲:原 摩利彦 / 釣 俊輔

(以下、NHKによる企画説明)

『ゆずが震災の経験を“うた”で未来へつなぐ』

阪神・淡路大震災から30年が経つ中、「災害の記憶継承 30年限界説」という報道が注目されました。世代交代が進むと、記憶の継承は難しくなっていきます。

東日本大震災の発生から15年。記憶や教訓をどうやって次の世代へつないでいくか。
ゆずという日本を代表するアーティストが制作した楽曲の力によって、東北はもちろん、全国、そして世界に震災の経験を伝え、未来へつなぐことを目指しています。

羽生結弦さん

 羽生 結弦さん(はにゅう・ゆづる)宮城・東北高1年だった2011年3月に出身地・仙台市のスケートリンクで練習中に被災。自宅は全壊判定を受け、避難所生活を経験した。冬季オリンピックは初出場の2014年ソチでアジア勢初の男子制覇を果たし、2018年平昌(ピョンチャン)で66年ぶりの2連覇。2022年北京は4位。2014、2017年に世界選手権を制し、2013~2016年にグランプリ(GP)ファイナルを4連覇。全日本選手権は6度優勝した。2016年に世界初の4回転ループ成功。2022年7月にプロ転向を表明後、自ら制作総指揮して出演するアイスショーを企画しているほか、毎年3月には「羽生結弦notte stellata」に出演して鎮魂の舞を披露している。早稲田大卒。31歳。

井上 将志

この記事を書いた人

井上 将志 (いのうえ・まさし)

2003年共同通信入社。名古屋でプロ野球中日、フィギュアスケート、本社運動部でフィギュア、体操、東京五輪組織委員会を中心に担当。五輪は10年バンクーバーから夏冬計7大会を取材した。ジュネーブ支局時代は欧州を中心に世界各地をカバー。東京都出身。

あわせて読みたい

ピックアップ