夏に痛み出した右足首の状態は芳しくない。それでも、三原は「諦めることは絶対にできない」と、並々ならぬ決意で大一番に臨む。2年連続の世界選手権代表入りへ、必死の調整で間に合わせてきた。
今季初戦だった11月のNHK杯はジャンプのミスが目立って8位。なかなか痛みが取れない中、練習の量よりも質を重視してきた。ジャンプは映像を小まめに確認しながら「ミリ単位」で踏み切りのタイミングなどを修正。この日の公式練習は中野コーチの指導を仰ぎつつ、SPの曲を流した演技で転倒したルッツ―トーループの連続3回転を繰り返し確認した。
「1秒1秒を大切にしてきた。それを試合で出せたら」。難病や体調不良によるシーズン全休と度重なる困難を乗り越えてきた24歳の実力者は、誰よりも滑る喜びを知っている。
