フィギュアスケートのアイスダンスで争う第4回クリス・リード杯は23日、長野県軽井沢町風越公園アイスアリーナで行われ、高橋大輔さんがフルプロデュースしたアイスショー「滑走屋」で今年3月の広島公演に出演した矢島司(法大)がアイスダンスの実戦デビューを果たした。(取材・撮影:井上将志)
高橋さんが国内の大会を視察して選抜した「アンサンブルスケーター」からは、この日同じく初の実戦に臨んだ櫛田育良(木下アカデミー)と島田高志郎(木下グループ)の「いくこう」コンビに続くアイスダンス挑戦。高橋さんが切り開いたシングルからの転向や二刀流の道が、日本のフィギュア界で広がりを見せている。

矢島は演技後、共同通信(Deep Edge Plus)の取材に応じ「滑走屋で人生が変わった。大輔さんには感謝しかないです」などと語った。身長180センチと長身でしなやかな滑りが持ち味のスケーターは「滑走屋」出演をキッカケに、以前から興味があったアイスダンス挑戦を決断したという。この日は、アイスダンス経験者の矢島榛乃(西武東伏見FSC)と組んでシニアのフリーダンス(FD)に出場。「6月中旬ぐらいにアイスダンスをやりたいなと思って、ダンスの先生にお話を聞いたら矢島榛乃さんがパートナーを探してるよ、と教えてくださって。試しに滑ってみようっていう話から始めることになりました」と経緯を明かした。

「滑走屋」ではアイスダンスのように男女で組んで踊る演目に抜てきされ、高橋さんに「手取り足取りで一から」アイスダンスの基礎を教えてもらったという。今は、けがでシングルでの活動ができず、今月の東京選手権も欠場。「けがと向き合いながら両立したい」と二刀流を目指し、まずはアイスダンスの全日本選手権予選を兼ねる11月1~3日の西日本選手権(大津)に向けて2人での滑りを磨いていく。
※Deep Edge Plusでは「滑走屋」を経験したアンサンブルスケーターの〝その後〟に迫る新企画を準備中です。