フィギュアスケートの元世界王者、高橋大輔(たかはし・だいすけ)さんと村元哉中(むらもと・かな)さんが11月30日、福岡市のオーヴィジョンアイスアリーナ福岡でスケート教室を開き、初心者を含む約100人の小学生を指導した。
同リンクでは来年3月19~22日に高橋さんプロデュースのアイスショー「滑走屋~第二巻~」を開催予定。
子どもたちに熱心にアドバイスを送った高橋さんと村元さんが、競技普及や滑走屋への思いを語った。
コメント全文は次の通り。(取材・撮影:竹内まり)
―子どもたちの反応や表情はどうでしたか。
高橋さん「結構みんな真面目で一生懸命やっている子がたくさんいて、スケート教室に通っている子と初めての子がいたんですけど、それぞれ楽しみながらやってくれたんじゃないかなと思います」
村元さん「本当に毎回スケート教室を開催する時に、子どもたちの目がキラキラしていて、短時間なんですけど、子どもたちの成長が見られるので、私たちにとってもいい時間になりますし、子どもたちの始まった時の表情と、終わった時の表情がすごく違うので、そういった変化を見られるのがうれしいです」
―子どもたちへの指導を通して気付いたスケートの魅力はどんなところですか。
高橋さん「下が滑る感覚は普段感じられないものですし、それが怖い子もいるし、不思議で楽しんでいる子もいるし、一人一人全然違うので、そこをどうやって楽しんでもらうかとか、どれだけ好きになってもらうかは毎回新鮮ですね」
―オーヴィジョンアイスアリーナ福岡は閉鎖の危機を乗り越えて営業を再開しました。子どもたちが楽しむ姿を見て、存在意義をどう感じましたか。
高橋さん「結構スケートリンクは遠かったり、交通の便が悪かったりする所にあるんですけど、このリンクは本当に駅もすごく近いし、街の中にあるので、すごく身近に感じられます。こういった所があれば、経験する回数が増えると思うので、特に九州はすごくリンクが少ないので、ぜひずっと続いてほしいなと思いますし、それには、こうやっていろんなイベントや、スケートに関わってもらうことを続けていかないと大変だと思います。僕も『滑走屋』っていうアイスショーを福岡で、新しい作品をスタートしたい思いがあるので、滑走屋の初めの地として残ってほしいと思います」
―来年3月にこのアリーナで「滑走屋」のアイスショーが開催されます。前回の福岡開催の反響と、次回の見どころを教えてください。
高橋さん「前回初めてやらせていただいたので、僕たちもどんなものになるか分からない中で、ギリギリのところで滑走屋をスタートしたんですけど、今回はまた新しい滑走屋がお届けできると思います。今、制作段階なので、まだまだはっきりとどんな世界になるかっていうのは、ギリギリまで詰めていきたいなと思うんですけど、みなさんに楽しんでもらえるような作品になってくると思いますので、ぜひいろんな方に来ていただけたらなと思います」
村元さん「今回は2作目で、メンバーも前回と変わっているので、また新たな滑走屋のカラーを、前回とは違う雰囲気のある中で、やはりスケートを極めてきた人たちが集まるので、スピード感だったり迫力だったり、(振り付けの鈴木)ゆまさんが作っている構成、スケートの図は上から見ても、360度楽しめるアイスショーなので、また大ちゃんも、ほとんどの席に座って観客がどこからどう楽しめるのか、本当に深く本人がリサーチしたので。アイスショーの座席にこだわっているショーは少ないと思うので、風が感じられたり、表情が見られたりとか、そういったところは本当にこだわりを持っているので、本当にフィギュアスケートの原点に戻るというか、スケートを楽しんでもらえると思います」
高橋さん「本当にスケートが詳しくない方も楽しめるものになっていると思うので、ぜひ」
―福岡をスタート地にしたのはなぜですか。
高橋さん「オーヴィジョンアイスアリーナがリニューアルするタイミングもそうですし、いろんなつながりがあって福岡でやらせていただくことになって、そういった縁はすごく大事だなと思いますし、元々僕自身、福岡、九州が大好きなので。福岡ってあんまりアイスショーの数がなかった。ここ最近、リニューアルしてからたくさんのショーが来るようになったんですけど、あんまり来ていなかったので、そういった方々に親しんでいただきたいっていう思いでスタートしたっていうところも。最初に作った場所なので、できれば最初はここがいいな。そこから規模的にはいろんなところに上っていければいいな、という思いで、新しい作品はここからスタートしたい」
―スケート教室を福岡で開くのは初めて。
高橋さん「滑走屋のスケート教室は初めてで、別の連盟さんのスケート教室では久留米に行かせていただきました」
村元さん「愛媛でも1回」
―滑走屋としてのスケート教室は全部で何度目ですか。
高橋さん「2回目。稽古の前の日にやらせてもらったので愛媛だったんですけど、別枠として滑走屋のスケート教室をやるのは初めてかな。単体では。稽古が始まる日にスケート教室っていうつながりでやったのはあるんですけど、スケート教室だけで来たのは初めてです」
―小学生はどんな可能性を秘めていますか。
高橋さん「だいたい小学生くらいで、3歳から始める子もいますけど、小学生で始める子が始める子がほとんど」
―高橋さんも小学生で始めましたよね。
高橋さん「僕、小学校2年生で始めたので。かなちゃんが?」
村元さん「5歳から。年長さん」
高橋さん「結構9歳、10歳から始める子とかもいますし、そこで面白いと思って選手になってくれたらうれしいなと思います。滑走屋がどこまで続くか分からないですけど、滑走屋スケート教室で始めて、滑走屋に出られましたって言ってくれるのが一番うれしいなと思って」
村元さん「だよね」
―改めて「滑走屋」の由来を教えてください。
高橋さん「滑走屋をつくる時に、より身近にアイスショー自体を感じてもらえたらと。気軽にパッと行ってみよう、というような感覚のエンタメを作りたい、スケートのエンタメを作りたいと思ったのがスタートで、大体、僕たち滑走しているので、氷の上を。だから、氷上でスケートをしている人たちの集まりっていうので滑走屋として、そこにいろんな演目が、新しい演目だったり、古い演目だったりっていう。そういう作品は後付けでいいかなっていう。僕たちが、氷上のエンタメ集団がお届けしますよっていう思いの名前にさせていただきました。結構、海外の方が来たりとかが多いんですけど、日本人で若手の子たちとともに作り上げていったら面白いんじゃないかなっていうところから始めたので『箱推し』として成長してもらいたい。『箱推し』から、現役の子たちも応援してくださる。『あっ、こんな子いたんだ』って知ってくださって、そこから応援してくださることもあるみたいなので」
―現役の選手も引退した選手も一緒に作り上げる。
高橋さん「そうですね。でも、ほとんど現役の若い子です」
―声をかけて集めた。
高橋さん「今年はオーディションという形をさせていただいたんですけど、前回まではオファーしてっていう感じですね」
―今回のスケート教室の講師は高橋さんと、村元さんの2人ですか。
高橋さん「そうです。このスケート場で教えているコーチ陣にお手伝いいただいて。ゆくゆくは滑走屋のメンバーたちが一緒にできればいいんですけど、まだ現役の子たちがほとんどなので。今シーズン中なので」
―教室はこれからも続いていきますか。
高橋さん「やっていけたらいいなと思っています」
―無料で大丈夫ですか。
高橋さん「大丈夫です(笑) ほんとそこで触れ合っていただくことが大事だと思いますし、そこからまたアイスショーを見ていただく。滑らずに見るのと、滑って見るのじゃ感動は変わってくると思うので」
―今日のレッスンメニューで重きを置いたことは何ですか。
村元さん「本当に氷と触れ合うところで、初めての方が多いので、経験者以外の方は本当に氷に立つこと自体が恐怖っていう子が多いので、氷に慣れてもらうっていうところから。基礎、基礎の前の立つ練習っていうところから始めて。経験者の子たちは先生たちがやっていることをやって、それをフォローしてアドバイスする」
―みんな転んでもすぐに立ち上がって頼もしいですね。
高橋さん「子どもの方が恐怖心が少ない。大人の方は本当にこける練習をめちゃくちゃしなきゃいけない。まずは恐怖心を消すこと(苦笑)」











