フィギュアスケート男子で元世界選手権覇者の宇野昌磨さんらを育てた樋口美穂子コーチ(56)は5月、新潟市のMGC三菱ガス化学アイスアリーナを指導拠点の中心とすることを発表した。2018年平昌冬季オリンピック女子4位の宮原知子さんらを指導した1998年長野冬季オリンピック代表の田村岳斗コーチ(46)との新タッグは大きな注目を集める。生まれ育ったフィギュア王国・愛知を離れ、新天地に挑んだ経緯とともに、経験豊富な名指導者が思い描くビジョンを語ってもらった。以下、敬称略(聞き手 藤原慎也)
―大きな決断のきっかけとなったのは。
樋口「今年4月に、米国フィギュアスケート協会が主催する合宿に特別講師として招待されたことが一つのきっかけとなりました。米国だけでなく、海外から約200人、ノービスからジュニアまでの生徒が参加していて、いろんなコーチや選手と触れ合ってみると、自分の視野の狭さを痛感させられました。もっとチャレンジしてもいいんじゃないかと」
―どんなことを教えられたんですか。
樋口「私が教えたのはコロラド州のリンクで2日間。本当にフットワークやジャンプといった基礎的なこと。グレイシー・ゴールドがルッツ担当していて、私は総合的なところを見るような感じでした。8歳でダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を跳ぶ男の子もいれば、まだ基礎も全然できていないけど、滑っていることが大好きみたいな子もいて」

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