インタビュー

2026.09.13

三原舞依さん「小さな『できた』の積み重ねを意識」 闘病の子どもに実体験からエール

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 フィギュアスケート女子で活躍し、現役を引退した三原舞依さん(26)が7月22日、兵庫県立こども病院を訪れ、闘病生活を送る子どもたちを前にトークショーを行った。小児がんや難病と闘う子どもたちを支援する一般社団法人「ゆうきとのぞみ」(横浜市)が企画した。現役時代に難病の若年性特発性関節炎で入院するなど苦しんだ経験を振り返り「一つ一つの『できた』という思いが前に進むことにつながった。小さな幸せを見つけてほしい」とエールを送った。(取材・写真:飯田こころ)

 イベントの詳報は以下の通り。

【トークショー】引退後、豆大福が大好きに

 司会―スケートを始めたきっかけは。

 三原「小学校2年生の時に、初めて両親にリンクに連れて行ってもらったのがきっかけでスケートを始めました」

 ―現役時代にスケートをしていて、一番楽しかった時はどんな時でしたか。

 「小学校時とか中学生の時に、新しいジャンプにチャレンジして、何度も何度もジャンプして転けたりとか、失敗を繰り返した中で、やっとできるようになった瞬間っていうのがすごく楽しかったです。スピンだったり、ジャンプだったりができるようになって、それの積み重ねっていうのがすごく楽しかったです」

 ―三原さん、ご自身のことを聞いていきたいと思うんですけど、好きな食べ物は何でしょうか。

 「大福が大好きです」

 ―現役時代はなかなか食べる機会がなかったんですかね。

 「ちょっと栄養面で、お米をしっかり摂ったりとか、ひじきとか、鉄分をしっかり取ったりっていうので和食中心だったんですけど、引退後、いろんな食べ物を食べて改めて豆大福を食べたときに、おいしいって思ってそこから」

神戸は山も海もあってリフレッシュできる

 ―休みの日はなにをされているんですか。

 「お友達と一緒にいろいろなカフェに行ったり、結構アウトドアも好きだったりして、いろんなところにおでかけをして、たまに映画館に行って映画を見たりしています」

 ―結構、自然がお好きっておっしゃってたと思うんですけど、山とか行って写真撮ったりとかもされてるんですか。

 「そうですね、自然は本当に大好きです。神戸って山も海もあってすごく景色がきれいでリフレッシュできたりするので、写真撮って、撮り過ぎて携帯のアルバムの容量がパンパンで(笑)」

 ―この間どこかで撮った写真、太陽の周りに虹ができたということが話されていたと思うんですけど、どこで撮った写真なんですか。

 「地元で、神戸で撮った写真です。ふと空を見上げた時に、太陽の周りに虹がまるく一周つながったハロっていう現象を見ることができて、すごくきれいだなって思って幸せを感じました」

 トークショーを行う三原舞依さん=2026年7月、兵庫県立こども病院

小さな幸せや小さな『できた』の積み重ねを意識しながら

 ―三原さんが入院されていた時のエピソードをお聞きしたいと思うんですけれども、入院していた時に楽しみにしていたことって何かありましたか。

 「たまに両親だったりお友達がお見舞いに来てくれるときがすごく嬉しかったですし、早く元気になってねっていう言葉も嬉しかったですし。毎日、食事のタイミングとかで持ってきてくださる職員さんとお話しする時間もすごく楽しみにしていました」

 ―頑張りたくても頑張れない時期があったかと思いますが、そんなときどんなふうに病気と向き合っていましたか。

 「つらくなってしまうときもあったんですけど、1つ1つの小さな『できた』の積み重ねで、前を向いて一歩一歩進んでいくことができたので、暗くなってしまうときは視野が小さくなってしまっているのではなくて、いろんなことを見回したりとか、いろんなところを見ることで、小さな幸せや小さな『できた』の積み重ねを意識しながら毎日過ごしていました」

 ―またスケートを滑れるようになった時はどんな気持ちでしたか。

 「氷の上に戻ったときは過去の自分の感覚とは全然違っていてすごくびっくりはしたんですけど、やっぱりもう一度氷の上に戻ることができたことが何よりも嬉しくて、今まで以上に氷の上に乗ることができる幸せだったりとか喜びというものを噛みしめながら滑るようになりました」

 ―その気持ちになってからはスケートの成績も上がっていきましたか。

 「今までできていて今はちょっとできなくなっていることとかを、また新しく1つ1つできるようになっていく喜びとかうれしさだったりとか幸せな思いを感じつつ、その場所に戻ってくることができたのはいろんな方のサポートのおかげでもあって、感謝の思いを込めながら、1つ1つのうれしさや楽しみを感じて日々過ごしてきました」

 ―最後に病気と戦う皆に向けてメッセージをお願いします。

 「1つ1つ今できることだったり今あるものっていうものに感謝の思いを持って私自身過ごしてこられたので、1つ1つのできたことや小さな幸せを見つけながら日々過ごしていただけたらなと思います。これから私が何かお役に立つことができたらうれしいなというふうに思っているので、本当に1つ1つ大切に、日々笑顔とともに過ごしていただけたらと思います」

【入院中の子どもや保護者の質問コーナー】1つ1つ幸せを見つけて過ごした

 ―スケートの靴の色はどんな色?

 「私は白いスケート靴を履いていて、スケート靴の下にエッジっていうギザギザした感じのものがついているんですけど、このエッジの向こうはライラックで、ちょっとピンク色のようになっているものを使っています」

 ―なんでフィギュアスケーターを目指したの?きっかけは?

 「小さい頃からフィギュアスケートのテレビをよく見ていて、スケーターさんのような素敵な演技がしてみたいなと思っていて、始めて氷の上に乗ったときに、陸上とはまた違った氷の上を滑るっていう感覚にすごく魅力を感じてスケートを始めました」

 ―何色が好きですか。

 「私は青色が好きです」

 ―何の歌が好きですか?

 「いつも結構、邦楽、日本の音楽の、日本のアーティストさんの曲を聴くんですけど、家入レオさんの『Mirror』という曲が一番好きです」

 ―練習できなかった期間はどうなさっていたんですか。

 「練習できなかったときは、日々のリハビリとか、いろんな1つ1つの積み重ねを大切にしながら元気に過ごしたいという思いが強くて、自然を歩いて景色を見ながら『今日は緑がすごくきれいだな』とか、お空を見て『ハート型の雲を見つけた』とか。1つ1つの幸せを見つけるように過ごしていました」

 ―これからどんな女性になっていきたいですか。

 「今までスケートの現役選手のときにたくさんの方にサポートしていただいて毎日を生きることができたので、これからは少しずつ、いろんな方のお役に立てるような女性になっていきたいなと思います」

(トークショー終了)

 トークショーを行う三原舞依さん=2026年7月、兵庫県立こども病院

 三原さんはトークショーの後、病棟のプレイルームに集まった子どもたちと笑顔で交流。サイン入りのスケッチブックや色鉛筆などが入ったギフトボックスを、一人一人と目線を合わせて向き合いながら手渡し、記念撮影した。

 ギフトボックスを手渡す三原舞依さん(右)=2026年7月、兵庫県立こども病院

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