はじめてのフィギュアスケート

2025.10.23

トーループからアクセルまで ジャンプの違いをシンプル解説

 GPファイナル男子フリー 演技するイリア・マリニン=2024年12月、グルノーブル(共同)

SNSでシェア

 プログラムの構成の中で、大きな見せ場となるジャンプを解説します。ジャンプは全部で6種類あり、跳び上がる際の姿勢によって区別されます。スケート靴の刃(ブレード)の使用部分や体重をかける位置(内側と外側)、踏み切る際の向き(前向きと後ろ向き)によって分類され、「トーループ」「サルコー」「ループ」「フリップ」「ルッツ」「アクセル」の順に難しくなります。また、全てのジャンプは同じ方向に回転し、後ろ向きに片足で着氷します(※一般的には上から見て反時計回りに回転して右足で着氷)。

 2014年ソチ冬季オリンピック後に高難度の4回転を駆使する時代に突入し、男子は2016年4月に宇野昌磨さんがフリップ、9月に羽生結弦さんがループを国際大会で初めて成功させました。女子も2018年平昌オリンピック後にアレクサンドラ・トルソワらロシア勢がルッツなどを決めています。2022年2月には羽生結弦さんが転倒はしたもののクワッドアクセルの認定を初めて受け、9月にイリア・マリニン(米国)が成功させました。

グランプリファイナルのフリーで、4回転ループを決める羽生結弦の連続合成写真(左から右へ)=2016年12月、フランス・マルセイユ(共同)

トーループ

 ブレードのつま先(トー)を使って跳ぶジャンプです。後ろ向きで右足の外側(アウトエッジ)に体重をかけて踏み込み、左足のトーをついて跳び上がります。

サルコー

 ブレードのトー以外(エッジ)全体に体重をかけて跳ぶジャンプです。両足のつま先を内側に向ける姿勢になった後、踏み切る足と反対の足を上に振り上げて跳ぶのが特徴です。

ループ

 エッジ全体に体重をかけて跳びます。サルコウは足を「ハ」の字にしてジャンプに入るのに対して、ループは両足をクロスさせるような形から入ります。

フリップ

 トーを使って跳ぶジャンプです。トーループとは踏み切る際のトーを付く足が異なります(トーループは左足のトーを付くのに対してフリップは右足のトーをつく)。左足の内側(インエッジ)で滑り、滑走の軌跡と同じ方向に向かって回転します。

ルッツ

 トーを使って跳ぶジャンプです。フリップと同じく右足のトーをつきますが、左足は外側(アウトエッジ)で滑って飛び上がります。滑走の軌道と逆方向に回転しなければならないため、難易度も上がります。

アクセル

 全てのジャンプの中で唯一前向きで踏み切るジャンプです。後ろ向きで降りるため、他のジャンプよりも半回転多く空中で回る必要があります。


オイラー

 連続ジャンプのつなぎに入れるジャンプです。全てのジャンプは右足で着氷するため、左足で踏み切り始めるサルコーやフリップを連続して跳ぶことが出来ません。そこで、1つ目のジャンプを着氷した右足でそのまま踏み切り、1回転しながら左足で着氷することで次のジャンプへとつなげます。オイラーはあくまでも連続ジャンプのつなぎとしての役割であるため、1回転しかなく、基礎点も1回転ループと同じ0.5点です。

おすすめ記事

あわせて読みたい

ピックアップ