【詳報】鍵山優真と「かてぃん」角野隼斗さんのコラボ実現 新SPにカバー曲、エキシビは書き下ろし 作曲のため練習見学も

鍵山優真(右)と角野隼斗さんⓒシャッターズ

 フィギュアスケート男子で2022年北京冬季オリンピック銀メダリストの鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が、来年2月のミラノ・コルティナ冬季オリンピックを目指す新シーズンのショートプログラム(SP)を米人気歌手スティービー・ワンダーの「I Wish(回想)」で滑ると27日、マネジメント事務所が発表した。
 
 人気ピアニストでユーチューバー「かてぃん」の名でも活動する角野隼斗さん(29)さんと、ポーランドのスーパーテクニックギタリスト、Marcin(マーシン)さんがカバーした情熱的かつスリリングな楽曲を使用し、名振付師のローリー・ニコルさんが振り付けした。

【マーシン×角野隼斗 I wish】 再生はこちらから

エキシビは角野さん書き下ろし 振り付けはコストナー・コーチ

 エキシビションの音楽は鍵山が角野さんに作曲を依頼し、カロリナ・コストナー・コーチが振り付けを担当する。マネジメント事務所は「3人の表現者が集い、それぞれの思いを一つの形にする。トップランナーとして日々進化し続ける3人の、今までに見たことのないコラボレーションナンバーを世界の皆さまにお届けするその日を楽しみにお待ちください」としている。

鍵山優真(右)と角野隼斗さんⓒシャッターズ

鍵山優真のコメント

 「このたび、角野隼斗さん(かてぃんさん)とエキシビションでコラボレーションナンバーを制作させていただくことになり、どのような素晴らしい作品が生まれるのか、今からとてもワクワクしています。1からオリジナルで楽曲を作っていただくのは初めての経験で、自分だけの、唯一無二のプログラムを創りあげていけることを楽しみにしております。同時に、自分が表現したい世界観をしっかりとお届けできるよう、精いっぱい努めてまいります」

鍵山優真 Profile

 鍵山 優真(かぎやま・ゆうま)2020年冬季ユースオリンピック王者。2022年北京冬季オリンピックで個人、団体ともに銀メダル。世界選手権は2021、22、24年に2位。今季はGPファイナル2位、全日本選手権で初優勝。冬季オリンピックに2度出場した父、正和さんと2014年ソチ冬季オリンピック女子銅メダルのカロリナ・コストナーさん(イタリア)に師事する。神奈川・星槎国際横浜高卒、オリエンタルバイオ・中京大。160センチ。2003年5月5日生まれの22歳。神奈川県出身。

角野隼斗さんのコメント

 「初めての打ち合わせで、カロリナさんが『鍵山選手の強みは、三つの“速さ“を兼ね備えていることだ』とおっしゃっていたのが、とても印象的でした。持続する高速スピード、鋭い加速力、そして足元の素早い動き。初めて彼の練習を生で拝見した瞬間、その言葉の意味を深く実感すると同時に、不思議と音楽のイメージが自然と湧き上がってきました。このたび、鍵山選手のために曲を書かせていただき、大変光栄に思っています。この音楽の上で、彼がどのようなスケートを見せてくれるのか、僕自身も今からとても楽しみにしています」

角野隼斗 Profile

 角野 隼斗(すみの・はやと)2018年にピティナ特級グランプリ、2020年に東京大学総長大賞を受賞し、一躍注目を集める。2021年ショパン国際ピアノコンクール・セミファイナリスト、2025年レナード・バーンスタイン賞の受賞など、国内外で輝かしい実績を重ねている。
 これまでに、シカゴ交響楽団、ポーランド国立放送交響楽団、バンベルク交響楽団、ウィーン放送交響楽団、NHK交響楽団、読売日本交響楽団など、数々の著名オーケストラと共演してきた。
東京大学在学中には、6人組シティソウルバンド「Penthouse」を結成。2023年よりニューヨークを拠点に活動を展開。2024年には日本武道館にてクラシックピアニストとして史上最多となる13,000人を動員し、音楽とパフォーマンスの新たな可能性を示した。
 2025年にはヨーロッパ7都市ツアーを実施し、ベルリン・フィルハーモニーを皮切りに、コンセルトヘボウ、ウィーン・コンツェルトハウス、エルプフィルハーモニーなどで世界的ホールへのデビューが予定されている。さらに同年11月、ニューヨークのカーネギーホール、Kアリーナ横浜でのリサイタルも予定。BBC Promsやロックダンテロン音楽祭などへの出演も続き、今後はフィラデルフィア管弦楽団、ロサンゼルス・フィル、BBCフィルとの共演も控える。
 クラシックの高度な技巧に加え、独自の編曲や即興を融合させた演奏スタイルで国際的な注目を集め、YouTubeでは「Cateen(かてぃん)」名義で活動。登録者数は148万人超、総再生回数は2億回を突破。デジタル時代のクラシック音楽の発信者として地位を確立している。2024年にはSony Classicalと契約を締結し、世界デビューアルバム『Human Universe』を発表。同作は第39回日本ゴールドディスク大賞「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、革新性と芸術性の双方で高く評価された。
 作曲家としても映画、テレビ、CMなど幅広い分野で活動し、「情熱大陸」「紅白歌合戦」「街角ピアノ」「徹子の部屋」「題名のない音楽会」「アナザースカイ」などのメディア出演や、J-WAVE「TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES」のナビゲーターも務めている。クラシックに軸を置きながらもジャンルを越えて音楽を追求する、唯一無二の存在として注目を集めている。(Sony Music 2025年6月現在)

オフィシャルサイト

角野隼斗さんオフィシャル・サイト

マーシンさんオフィシャルサイト
藤原 慎也

この記事を書いた人

藤原 慎也 (ふじわら・しんや)

全国紙で5年間の勤務を経て、2014年に入社。名古屋でプロ野球中日を取材。2016年末に東京運動部へ異動し、フィギュアスケート、体操、パラスポーツを担当。だんじり祭りで有名な岸和田市育ち。