8月に全国公開される「蔵のある街」で映画初出演を果たした元フィギュアスケート男子世界王者高橋大輔さん(39)が25日、岡山県倉敷市での先行公開に合わせて舞台あいさつした。「ふるさとを舞台にした映画に出演することができて僕は幸せ者だと思う」と話した高橋さんの発言を中心とした舞台挨拶の詳報をお届けする。
ー(司会)美術館の学芸員・古城緑郎(こじょう・ろくろう)役、高橋大輔さんよろしくお願いいたします。
高橋さん「古城緑郎役を演じました、高橋大輔です。よろしくお願いします」
ー高橋大輔さん、ふるさとの倉敷を舞台にいたしましたこの「蔵のある街」で映画デビューを果たしました。初めての映画舞台挨拶になった、このお気持ちいかがでしょう?
高橋さん「全然場慣れしてなくてですね。すごく緊張してるんですけれども、本当に素晴らしい作品に出させていただいて、本当に僕自身も貴重な体験をすることができましたし、本当に素晴らしい映画に出演することができて、しかも、ふるさとを舞台にした映画ということで、本当に僕は幸せ者だなという風に思ってます。ありがとうございます」
-高橋さんはご自身の演技で、どんなシーンが印象に残ってますか?
高橋さん「演技ですか?全て僕にとっては印象的なシーンではあったんですけど、一番難しかったなと思ったのが、居酒屋で紅子のお父さんと言い合いをするっていうところが、時間が決まっていて、お尻が。撮影終了の時間が決まっていて。それもあったんですけど、ちょっと緊張しすぎて、セリフが飛ぶことが多すぎて『やばいやばい』っていう思いの中でお芝居をしていたので、そこが自分にとっては苦い思い出ではあるんですけど、あそこまで感情を出すっていうのが、今回の僕が出演しているシーンの中で一番たくさん感情が出るシーンだったので、思ったより感情の方が溢れて出てしまって、セリフが飛ぶっていう状況に陥ってしまって、時間もないし、ものすごく焦ったんですけども。そんな大変なこのシーンは、自分にとって苦い経験でもありながら、すごく一つ成長できた経験でもあったんじゃないかなという風に思ったので、僕にとってはすごい印象的だと思っています」

-共演されている(白神練介役の)長尾(卓磨)さんとも、色々と話をされたり、息を合わせて。
高橋さん「結構皆様、温かく見守ってくださったので、何とか焦らずにいけたんですけれども。でも中尾さん、本番になると、またガラッと雰囲気が変わってくるので、結構ガーッとなった時に、すごく押されて。でもその前に、どっかのシーンで障子を破った、みたいな話が」
中島瑠菜さん(白神紅子役)「私とのシーンで、感情的に行くところで、バリっていっちゃって、大変でしたね」
平松恵美子監督「大変でしたね。ずっとスタッフがね、悲しそうな顔して、障子直してるんですよ」
-そんなハプニングもあったんですね。
高橋さん「それ聞いてたんで、僕後ろに障子みたいなのがあったんですよ。だから『絶対破っちゃダメだ』って思ってこらえて。そこだけを必死に、冷静に」
-フィギュアで鍛えられた体幹を使って。
高橋さん「何とか阻止しました」

-そんな思い出もありつつ、高橋さんの演技、平松監督は何か指導されたりしたんですか?
平松監督「基本的にはあまり指導っぽいことはしていなくて。一日に撮る分量がものすごく多かったからというのもあるんですけど、ただ、このシーンはこういうことを思い浮かべて、ちょっと顔を上げて想像するような風にして下さいとか、そういうことは何か所かあったと思います」
-前野(朋哉)さんが演じられたジャズ喫茶のマスターは、蒼と古城を繋げていったりとか、どの街にもいらっしゃるようなおせっかいで、でも愛すべきキャラクターのように思うんですけれども、演じられてみていかがでした?
前野さん「やっぱりどの街にもああいう人は必要ですよね。なので、ちゃんとでも音楽っていうものが、ああいうところで文化的なものが、倉敷って結構そういう街だと思うので、ちゃんと描かれてるのもすごく嬉しかったですし、あと僕はドラム叩くっていうミッションがあったので。結果的にはドラム楽しかったんで、撮影も楽しかったんですけど。なんかちょっと緊張感は僕もありました。そうですね。どうでした? 高橋さん、どうでした?」
高橋さん「めちゃくちゃ上手かったです」

-「蔵のある街」の撮影は、去年の夏におよそ3週間にわたって行われましたが、倉敷の撮影で心に残ったことを、それぞれ教えていただこうと思います。
高橋さん「僕は倉敷と言っても、連島(つらじま)の方なんで、倉敷市の付近はちょっと遠いんですよ。30分くらいなんですけど。僕も結構若い時から大阪に行ったりとかしてたので、撮影中は結構いろんなお店に行かせていただいて、それが行った店行ったお店がすごい素敵で。ひとりで結構行ってたんですけど。すごく気さくに話しかけてくださったり、美味しいものを食べたりとかで、自分の中でも新しい倉敷をどんどんちょっとずつ発見しながら過ごしていたので、それが一つの楽しみで過ごしていました」
-それは良かったですね。地元を離れて分かる、その地元の新たな良さとか。
高橋さん「本当にご飯美味しいですね。めちゃくちゃ美味しいところばかりでした」

-そろそろね、舞台挨拶の終了のお時間が近づいてまいりました。最後にですね、観客の皆様へ、それぞれメッセージをお願いします。
高橋さん「この映画、いろんな世代の方に見て頂きたいなと思っていまして、世代によってたぶん見え方ってすごく変わってくるんだろうなと思いますし、でもその中でも、自分が好きなことであったり、やりたいことであったりとか、そういったものに情熱を注げるっていうことは、すごく幸せなことなんだな、だったり、それをするには、たくさんの人の力が必要だったり…」
「なんていうんですかね、言葉がちょっと出てこない…」
「つなぐというか、本当に人の手を借りていくことによって、より一層大きな力が生まれるんだなっていうことを改めて、すごく感じられるような映画になっていると思うので、ぜひ、いろんな方にこの映画をお勧めいただいてですね。また新たに一緒に時間があったときに観に来てくださったりしてくれたら嬉しいなという風に思います」
