【ミラノ共同】国際オリンピック委員会(IOC)は19日、来年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で、ウクライナに侵攻したロシアと同盟国ベラルーシの選手は、個人資格の中立選手(AIN)として参加を容認すると発表した。昨夏のパリ五輪に続く措置。同日までミラノで開催した理事会で決定した。
各国際競技連盟が定めた基準を満たし、予選などで出場権を得ることが前提。団体競技の参加は認めない。パリ五輪と同様に、積極的に侵攻を支持していないことや、軍や治安当局の所属でないことが条件。国旗や国歌の使用は禁止し、開会式での行進も不可とする。
各連盟からAINのリストの提出を受けたIOCの資格審査委員会が参加可否を最終判断する。3人で構成する委員会のメンバーには、国際体操連盟会長でIOC委員の渡辺守成(わたなべ・もりなり)氏が選ばれた。
AINの予選への参加を認めるかどうかは、競技団体の判断に委ねられている。国際スケート連盟と国際山岳スキー連盟は容認し、フィギュアは19日に北京で始まった最終予選にAINが出場。IOCは国際スキー・スノーボード連盟も近く予選参加を認める可能性があると説明した。
一方、そり競技の国際連盟は、AINとしても五輪への参加は不可とすることを決定している。
IOCによると、パリ大会のAINは10競技に32選手が参加。トラブルは起きなかったという。コベントリー会長は記者会見で「公正さを確保する必要があり、パリ五輪の際に実行された内容に全幅の信頼を置いている」と語った。タス通信によると、ロシア・オリンピック委員会のデクチャリョフ会長は通信アプリ上で「IOCの声明は予想通り」とコメントした。