五輪初代表を懸けた大一番で確かな成長を示した。重圧に屈して7位に終わり、演技後に過呼吸で倒れた前回大会から1年。佐藤は冒頭の4回転ルッツを鋭い回転で決めると、その後も2度の4回転トーループに成功した。フリーはトップで、SP5位からミラノ行きを確実にする初表彰台で歓喜の涙。「100点をあげていい演技。9度目の出場でやっと乗れた」と達成感に浸った。
「1年間、リベンジするためにやってきた」という大会。SPで出遅れ、フリー直前の6分間練習は「緊張と不安でいっぱいだった」と明かす。支えになったのは、大歓声と日下匡力コーチの言葉。「ここまでやってきたことを出し切ってこい」との叱咤(しった)に応えた。
6月に右足首を負傷して練習を積めない時期が続き「苦しい時期が多かった」と吐露する。それでも、同じ仙台市出身で憧れの羽生結弦(はにゅう・ゆづる)さんが2度金メダルに輝いた夢舞台に立つため努力は欠かさなかった。メンタルトレーニングを受け、朝7時半起床で3食をしっかり食べ、夜11時過ぎには就寝する規則正しい生活を徹底。「選考条件を満たせたことがすごくうれしい」。21日の代表発表が待ち切れない表情だった。(藤原慎)











