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2026.05.31

フィギュアスケート界と著作権を巡る課題 傑作も滑り継ぐことができないのはなぜ? 【金沢21世紀美術館トーク③】

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 フィギュアスケートの芸術性について研究するスポーツ科学研究者で、国学院大学准教授の町田樹さんが3月、金沢21世紀美術館(金沢市)で行われたトークセッションに登場した。

 トークのテーマは、フィギュアスケートを「芸術作品」として捉え、どのように残し、未来に伝えていけるのか―。この日は、作品を保存、活用していくためのアーカイブについて、町田さんが考えたワークショップも実施。その後、美術館のアシスタント・コンサヴァター(保存担当学芸員)の梅谷彩香さんとトークを展開した。トークの後半では、フィギュアスケート界でこれまであまり考えてこなかったという著作権をテーマに、著作権の制度を導入するからこそ守れること、一方で著作権が阻むものについて、町田さん自身の経験を交えながら話した。

 後半では、著作権法を研究する町田さんが、作品を保護するための著作権の制度や種類、またフィギュアスケートのプログラムをアーカイブ(保存・利活用)する上で必要な権利処理について解説した。

 町田さんによれば、著作権は誰もが情報の受信者、発信者にもなり得るSNS時代においては万人に関係のある権利だと指摘。例えば、絵画作品を接写して、SNSでそれを発信する場合にも、著作権違反(=公衆送信権の侵害)にあたるという。

フィギュアスケートに関連する著作権

 トークの中で町田さんが行った解説では、フィギュアスケートを作って演じて、それを録画して、アーカイブするまでには、この第1段階(選手ら)、第2段階(競技会などの主催者)、第3段階(発信者)という3つの段階があるという。

 ます1つは振り付けの段階。音楽を選曲して振り付ける時、音楽の権利処理が必要になる。でも音楽の権利処理といっても、音楽の著作権にまつわる権利だけで、複数あり、それらをクリアランスしなければ使えない。

 次に2段階目、それを実際に競技会やアイスショーの場で披露するときにもまた、主催者は権利をクリアランスしなければならない。さらにそのイベントがテレビ中継される時にクリアランスしなければいけない権利がいくつもある。また町田さんの作品をテレビ局が撮影した場合、作品の作り手である町田さんに映像の著作権が帰属するのではなく、撮影したテレビ局に権利が帰属。アーカイブ映像に町田さんの作品が映っていても、その映像を町田さんが自由に使おうと思えば、テレビ局の権利を処理する必要があるという。

フィギュアスケートを巡る著作権について説明する町田樹さん=3月、金沢市

 町田さんは、自身の作品を映像化しようとした時のエピソードを明かした。

前山 千尋

この記事を書いた人

前山 千尋 (まえやま・ちひろ)

デジタルコンテンツ部記者。2007年入社。青森、京都支局を経て、文化部で美術や建築、教育、ジェンダー問題などを担当してきた。山梨県出身。

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