フィギュアスケートのペアで世界選手権覇者としてミラノ・コルティナ冬季オリンピックのシーズンを迎えた三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)。「りくりゅう」を技術面、精神面、戦略面と多岐にわたって支え続けているのがメインコーチのブルーノ・マルコット氏だ。インタビュー連載のお願いに「もちろん、できます」と二つ返事で快諾してくれた名将が、金メダルに挑む2人のオリンピックへの道のりをどうサポートしていくのか。原則として今シーズン、りくりゅうが出場した大会後、演技の分析やさまざまなエピソードなどを「Deep Edge Plus」の読者にお届けします。
第1回はショートプログラム(SP)とフリーの合計222・94点で優勝したチャレンジャー・シリーズ(CS)の木下グループ杯。ファンの皆さまに対する感謝の気持ちも語っています。(聞き手・吉田学史)
オリンピックで最高の「りくりゅう」に
―今大会を振り返って。
「面白い内容でした。ここ数年で最高の夏のトレーニングができたと感じています。夏の間、ずっと非常にいい心理状態を保てたのです。SPを昨季と同じ演目にしたことで、シーズン序盤から準備を整えられる機会を得られたと思います。さらに今夏はけがもなく、順調でした。2人は自分たち自身に目を向け、自分たちのスケート面の成長に専念する姿勢を貫いていました。この夏場に対する彼らの姿勢には本当に感銘を受け、それが国際大会初戦の結果に表れたと思います。素晴らしい出来でした。(試合前に)早々に京都へ入り、2人とも非常に自信に満ちていて、かなりリラックスしていました。また、この夏にローカル大会にも出場しました。試合勘を取り戻すための準備として、木下杯に向けてより早く調整できたことに役立ったと思います。(例年は)夏はアイスショーで本当に忙しいですが、今年はシーズンに向けてより早く準備を整えるために、日本に帰ってショーに出ることをやめました」