連載

2025.09.22

継続SP、新フリーの狙いとは… オリンピックへの戦略を語る りくりゅうへリラックス法も伝授 【名将ブルーノの目・第1回木下グループ杯】

インタビューに応じるブルーノ・マルコット・コーチ=3月1日、ハンガリー・デブレツェン(撮影:共同通信 横山純太郎)

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 フィギュアスケートのペアで世界選手権覇者としてミラノ・コルティナ冬季オリンピックのシーズンを迎えた三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)。「りくりゅう」を技術面、精神面、戦略面と多岐にわたって支え続けているのがメインコーチのブルーノ・マルコット氏だ。インタビュー連載のお願いに「もちろん、できます」と二つ返事で快諾してくれた名将が、金メダルに挑む2人のオリンピックへの道のりをどうサポートしていくのか。原則として今シーズン、りくりゅうが出場した大会後、演技の分析やさまざまなエピソードなどを「Deep Edge Plus」の読者にお届けします。

 第1回はショートプログラム(SP)とフリーの合計222・94点で優勝したチャレンジャー・シリーズ(CS)の木下グループ杯。ファンの皆さまに対する感謝の気持ちも語っています。(聞き手・吉田学史)

オリンピックで最高の「りくりゅう」に

 ―今大会を振り返って。

 「面白い内容でした。ここ数年で最高の夏のトレーニングができたと感じています。夏の間、ずっと非常にいい心理状態を保てたのです。SPを昨季と同じ演目にしたことで、シーズン序盤から準備を整えられる機会を得られたと思います。さらに今夏はけがもなく、順調でした。2人は自分たち自身に目を向け、自分たちのスケート面の成長に専念する姿勢を貫いていました。この夏場に対する彼らの姿勢には本当に感銘を受け、それが国際大会初戦の結果に表れたと思います。素晴らしい出来でした。(試合前に)早々に京都へ入り、2人とも非常に自信に満ちていて、かなりリラックスしていました。また、この夏にローカル大会にも出場しました。試合勘を取り戻すための準備として、木下杯に向けてより早く調整できたことに役立ったと思います。(例年は)夏はアイスショーで本当に忙しいですが、今年はシーズンに向けてより早く準備を整えるために、日本に帰ってショーに出ることをやめました」

吉田 学史

この記事を書いた人

吉田 学史 (よしだ・たかふみ)

2006年共同通信入社。仙台などの支社局で警察や行政を担当し、12年から大阪運動部でスポーツ取材を始めた。2014年12月に本社運動部へ異動して水泳、テニス、フィギュアスケートを担当し、五輪は2016年から夏冬計4大会を取材した。2022年4月からジュネーブ支局で国際オリンピック委員会や五輪の準備状況を追う。東京都出身。

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