前回の対話では、羽生結弦さんこと、まえがみさんが問いだしで出された12の問いの中に「境界線」という共通点を見いだし、このことについて対話を深めていきました。
まえがみさんは前回の対話の最後に、人が人や、何かに対して境界線を引いてしまうときに、自分と「同じ」を意識して引くのか、自分との「違い」を意識して引くのかで境界線のイメージが変わってくるのでないか? という興味深い問いを提起しました。
人はマイナスがあるからこそ、プラスに目を向けることができるのか。マイナスな感情を抱えているからこそ、同じ感情の人と結びつくことができるのか...?
まえがみさんと、永井玲衣さんこと、ねぐせさんは、答えのない問いをさらに探っていき、同席していた記者たちも少し置いて行かれる感覚にもなるような深い対話になりました。
もしかしたら、「同じ」であることを求めて線を引くことで、他の物に対して排他的になるのか、あるいはあるものを、自分の意見とは違うという風に仮定して、それを前提に境界線を引くのか。それだけでも、だいぶ境界のイメージって、違ってくる感じがしますね。
それこそ、「幸せ」と「ねたみ」の関係とも同じような気がしていて...。なんか、ポジティブに、わたしは幸せだねっていう境界を自分で引いている場合、同じ土俵にいる、幸せを感じている人間に対しては「あなたが幸せだから、わたしは幸せ」っていう構図が生まれやすいのかもしれない。
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