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2025.11.07

右足首痛の垣内珀琉、アドレナリンが一番の薬と言われたけど 教えてくれた田中刑事さんの前で...「今回は言い訳できる(笑)」 【GP・NHK杯男子SP】

NHK杯 垣内 珀琉

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 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯は7日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで開幕し、男子ショートプログラム(SP)でGPデビューの垣内珀琉(ひょうご西宮FSC)は61・59点で12位となった。

 垣内のコメント全文は次の通り。

―初めてのGPシリーズの演技を終えていかかですか。

「少しフライングキャメルが悔しい結果になってしまったんですけど、ちょっと練習不足が…。今回ジャンプも全てちょっと練習できない状況だったんで。今日はもう仕方ないかなっていう気持ちはあります。あとは今までで一番楽しい試合でした」

―それは終わった後に胸に手を当てるしぐさに表れていた?

「そうですね、ほっとしたっていう気持ち。4割ほっとした、6割はすごく楽しかったっていう気持ちがありました」

  ―その中でもジャンプは全て着氷。コンディションを含めていかがですか。

「SPはこっちに来る前までの練習だったら、ルッツもパンクして、フリップもできなくて。で、ダブルアクセルだけ降りられるっていう状況だったんで。ジャンプは今日はルッツがちょっとクオーター(回転不足)が付いていたんですけど、もう仕方ないと思っています」

  ―1番滑走。会場の雰囲気とかはいかがでしたか?

「全日本とひと味、ふた味、何か違うみたいな感じで。楽しくて、楽しくて、仕方がなくて。応援も今までよりもさらに応援してくださって、その気持ちが本当にうれしくて。本当に楽しい試合でした」

 ―明日のフリーに向けて。

「明日のフリーは今、ここで言うのもあれなんですけど、ちょっと練習不足で体力も不足なんで、もしかしたら今日よりさらにひどいことになってしまうのかもしれないんですけど、それでもちょっと今できる自分がそれなので。それ以上を狙うとはあんまり思わなくて。今の自分をしっかりと出して、明日も何かすごい楽しいなあ、みたいな感じを味わえたらなと思っています」

NHK杯 垣内 珀琉

 ―シニアのグランプリを滑って、何が違いましたか?

 「まず、お客さんの数も違うし、しかも日本の旗がすごいあって、その中に『ハル』って書いているバナーもあって。声援も違って。本当にテレビで見ていると味わえない感じを本当に味わうことができて、『うわ、こんなんだったんだな』みたいな感じを、けがで出られないかもしれないっていう感じだったんですけど、ここまで頑張ってきて『良かった~』って思いました」

 ―緊張はしなかった?

「今日の公式(練習)の方が緊張していて、バスの行き道までは緊張してました。なぜか分からないですけど、アップの体育館に行ってからはすごい気持ちが落ち着いて。緊張はしなかったんですけど、すごく楽しみみたいな感じに切り替わったっていう感じです」

 ―朝の公式練習では滑っている時に転倒もあって、緊張しているのかなと思いました。

「朝は緊張してました。あそこでこけたことが練習ではなかったんで、本当に何かスコーンっていって、シューっていって。でも、おかげで緊張が取れたっていう部分もあります」(垣内も報道陣も笑み)

 ―フライングキャメルは何がどうなった?

 「練習不足ですね。スピンの練習は最後までできなくて。意外とスピンが一番、結構ジャンプもなんですけど、ずっと耐えないといけないんで痛くて。何かそこはちょっと練習したかったんですけど、練習できないっていう。もどかしさもあって、あちゃーっていう感じです」

 ―回転が足りなかった?

「足りなかったです。0点でした」

NHK杯 垣内 珀琉

 ―万全ではない中でこれだけのお客さんの前で滑るというのは、葛藤もあったかと想像するが、どうだった?

 「木下(グループ杯)の時だったら緊張しすぎて、次のNHK杯が、みたいな気持ちがどこかであったんですけど、今日は最後だ、みたいな感じで。日本とかはちょっと背負っているんですけど、そこはちょっと置いておいて、自分が『せっかく来られたんだから楽しもう!』みたいな感じで。すごく楽しむことが木下のショートと違ってできたんで。今、終わって気持ちがすごく高ぶっているので、落ち着くまでに時間がかかるかなって思います」

  ―右足首の痛みはなかった?

 「アドレナリンが一番の薬だよとか言ってくださったんですけど、やっぱりめちゃくちゃ痛かったです」

  ―耐えながら?

 「はい」

  ―明日のフリーは不安か、やってやるぞという感じか?

 「正直言うと、めちゃくちゃ不安です。体力的な面も不安で、SPよりも練習を積めていなかったんで。トリプルも本当に先週の木曜日から跳びだしたんで。選んでいただいて申し訳ないですけど、ちょっとそこはふがいないなと思うんですけども、それが本来の今の自分なので、何かどんな演技になっても笑顔だけは忘れず、頑張ろうと思います」

 ―昨季まで指導してもらっていた田中刑事さんの前で演技できたことは?

 「フライングキャメルはちょっと教えていただいていたんで、けがという言い訳が今回はできるので(一同笑う)。何ですけど。けがじゃなくて4回転ルッツとか跳べる自分を本当は見せたかったんです、っていう気持ちはあるんですけど、今回はちょっとけがしちゃって仕方がないんで、明日のフリーも、しっかりとした演技はできないので、自分らしさを何か出せたらなと思っています」

  ―GPで学びたいと昨日、言っていた。誰かと話したり、練習を見たりとかは?

 「昨日なんかは世界選手権の後半グループだ、みたいな練習でやっていて。なかなかジャンプに入れないんですね。何かけがで元々、ジャンプもできないんですけど、ずっと僕ぐるぐるしちゃって、入ることが。どこで入ったらいいんだろうとか、で、身長はでかい方なのに、めちゃくちゃちっちゃくなったみたいな感じで。すごい息もしづらくなって。こういう空気なんだって。普段の動画で見ていたらちょっと分からないですけど、すごいなってなりました」

 ―圧みたいな?

「圧というか、リンクの外で皆さんすごく優しくてあいさつもしてくれて、うわってなるんですけど、リンクの中ではオーラっていうか、僕は持っていないんで。僕も何かああいうのをつけたいな、かっこいいなってすごい思いました」

 ―今日は表現っていう面ではどうですか?

 「木下の時に比べたら頑張れたっていう感じです。けがをしてからだったら、もう十分頑張ったんじゃないかなと思います。けがをしていなかったら本当に全然で。まだまだ表現できるところもあるし、ちょっと今日はもう十分かなと思います」

三村 舞

この記事を書いた人

三村 舞 (みむら・まい)

2021年共同通信入社。大津支局で滋賀県警、司法を担当し、23年5月から大阪支社運動部でフィギュアスケート、サッカーのG大阪を中心に担当。小学生時代、浅田真央さんが優勝するとファンの祖母がアイスを買ってくれた。神奈川県出身。

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