ニュース

2025.08.30

【詳報】アイスダンス櫛田育良、島田高志郎組が衝撃デビュー 「いくこう」快演に観客スタオベ フレンズオンアイスで「かなだい」とコラボも

フレンズオンアイス2025 櫛田 育良 島田 高志郎 いくこう(撮影:片桐大輝)

SNSでシェア

 フィギュアスケートのアイスダンスで新カップルを結成した櫛田育良(木下アカデミー)島田高志郎(木下グループ)組が30日、横浜市のコーセー新横浜スケートセンターでアイスショー「フレンズオンアイス」の初日に出演した。前日は公開リハーサルで演技を披露したが、観客を前に公演の本番に臨むのは初めて。5年後の五輪出場を目標に掲げる注目の「いくこう」が、新たな一歩を踏み出した。
 
 第1部では、島田が「出会えてうれしいという気持ちをプログラムで表現します」、櫛田が「自分たちも全力で楽しみます」、2人で「盛り上がっていきましょう!」と声を合わせてからスティービー・ワンダーの「Faith ft. Ariana Grande」で軽快に演じた。アップテンポな曲に合わせてツイズルやスピン、回転しながらのリフトを披露。島田が客席に座る演出やしなやかな滑りで場内を盛り上げ、櫛田は17歳とは思えぬ表現力で魅了した。まだ実戦も経験していない2人による衝撃のデビューを、観客はスタンディングオベーションでたたえた。

フレンズオンアイス2025公開リハーサル 「Faith ft. Ariana Grande」で好演する櫛田育良、島田高志郎組(撮影:松田優)

 第2部では「オペラ座の怪人」のスペシャルコラボナンバーで荒川静香さんや「かなだい」ことアイスダンスの先輩、村元哉中さん、高橋大輔さんらと共演を果たした。島田は荒川さん、高橋さんとともにファントムを、櫛田は村元さん、本郷理華さんとともにクリスティーヌを演じた。島田はグランプリ(GP)シリーズや全日本選手権で男子2位に入ったシングルの実力者とあって、ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を軽々と決めて会場を沸かせた。

フレンズオンアイス2025 「オペラ座の怪人」を演じる櫛田育良、島田高志郎組(撮影:片桐大輝)

 「ラ・ラ・ランド」で全員が踊ったフィナーレでも「いくこう」の滑りは目を引いた。

フレンズオンアイス2025公開リハーサル 「ラ・ラ・ランド」の音楽でフィナーレを演じる櫛田育良(撮影:松田優)

 夜公演のサタデーナイト限定「フレンズ アフタートークショー」にも登場。高橋大輔さんが「39歳、高橋大輔です」と切り出して爆笑をさらうと、「23歳、島田高志郎です」「17歳、櫛田育良です」としっかりかぶせて、さらなる笑いを誘った。「17歳」には荒川さん、高橋さんから、すかさず「若ーい!」とツッコミも入った。

 オリンピックを経験した高橋さんや村元さん、カロリナ・コストナーさんが経験談を語り、村元さんは「アイスダンスは長く滑るほど信頼関係を築き上げていける。お互いを知ることに時間をかけてほしい」とアドバイスを送った。

 島田は「すごく偉大な方々、オリンピックを経験された方々の言葉、重みを直で受けられて本当に幸せに感じています。ここから何をするか、ということがすごく重要になってくると思いますので、その過程を一つ一つ楽しみつつ、長い目で見て、しっかりとやっていきたいなと思います。頑張ります」と決意表明。荒川さんが「随分と体も変わってきたよね? 頑張って筋トレもして、アイスダンサーになってきました。滑りもアイスダンサーっぽい」と評価すると、高橋さんも「楽しみ!」と期待感を示した。

 女子シングルとの二刀流に挑んでいく櫛田は「皆さんからお言葉をいただいて、小さい頃から目指してきたオリンピックの夢の舞台に出たい気持ちがより強くなった。今シーズンからアイスダンスを始めて、これからもっと忙しくなると思うんですけど、高志郎君のことをもっと知って、練習を楽しみながら、もっとどんどん上を目指していけたらいいなと思います」と宣言。「いくこう」の新たな門出を、温かい拍手が後押しした。

フレンズオンアイス2025 サタデーナイト限定「フレンズ アフタートークショー」で会場を盛り上げた(左から)高橋大輔さん、村元哉中さん、カロリナ・コストナーさん、島田高志郎、櫛田育良、荒川静香さん(撮影:片桐大輝)
井上 将志

この記事を書いた人

井上 将志 (いのうえ・まさし)

2003年共同通信入社。名古屋でプロ野球中日、フィギュアスケート、本社運動部でフィギュア、体操、東京五輪組織委員会を中心に担当。五輪は10年バンクーバーから夏冬計7大会を取材した。ジュネーブ支局時代は欧州を中心に世界各地をカバー。東京都出身。

あわせて読みたい

ピックアップ