女子で注目の五輪代表3枠目争いは混戦に持ち込まれた。選考レースで一歩リードする千葉はスケーティングに本来の滑らかさを欠き、大技トリプルアクセルを決めて追いすがる渡辺と3・24点差。中1日で迎えるフリーへ緊張感が高まった。
千葉はSP首位から5位に沈んだGPファイナルのショックを引きずらず、上々の滑りだった。それでも、演技後は浮かない表情。踏み切りが不明瞭と判定された3回転ルッツなどに納得せず「複雑な感じ。気持ちのいい降り方ではなかった」と歯切れが悪い。フリーは「全身全霊で7本のジャンプを決めたい」と自らを奮い立たせた。
全日本で一発逆転を狙う渡辺は対照的だ。「スケート人生20年間で一番仕上がっている」との手応えを体現。フリーはトリプルアクセルを2本跳ぶ攻めの構成で「緊張を抑えられるだけの練習を積んできた。自信と誇りを持ってやりたい」と言葉にも勢いがある。
坂本と中井がファイナルで日本勢上位2人に入ってミラノに前進し、この日も好発進した。実質的に残り1枚の切符をつかむのは誰か。初の代表入りへ、意地と意地がぶつかる。(品川)











