インタビュー

2026.10.26

国際大会で鮮烈なシニアデビュー飾った島田麻央 木下グループ杯のプロトコルを春瀬なつみさんと読む【SP編】

デザイン:山田紗英子

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 木下グループ杯で優勝し、国際大会で鮮烈なシニアデビューを飾った島田麻央選手。素晴らしい演技を見ているだけでも競技を楽しめますが、ジャッジの視点が分かる「プロトコル」(採点表)を見ると、また違った面白さが見えてくるかもしれません。声優で、フィギュアスケートファンの春瀬なつみさんと一緒に木下グループ杯の女子を振り返り、プロトコルから島田選手をはじめ、選手たちの強さや成長を探ります。全3回でお届けします。(取材:前山千尋、米良治子)

女子でシニアの国際大会を初制覇を果たした島田麻央(中央)。左は2位のアレクサンドラ・イグナトワ(旧姓トルソワ)=田中貴金属アイスアリーナ

春瀬なつみさん略歴

 声優。香川県出身。趣味・特技は、読書・映画鑑賞・音楽鑑賞・フィギュアスケート観戦。フィギュアスケートをテーマにしたアニメ『メダリスト』では、主人公・結束いのり役を演じる。

 長年、フィギュアスケート観戦を続ける愛好家。ロシア選手が好きで、ロシア語のキリル文字が読めるようになったほど。今季のジュニアグランプリにも注目し、特にソフィア・ゼプカを応援。リアルタイムやアーカイブで演技を見た後、プロトコルを確認するのが習慣。現地観戦でも試合後にプロトコルを確認して初めて「試合が終わる」という感覚で、全選手が好演技をそろえた大会のきれいなプロトコルは「スケオタ人生のご褒美。最高のデザートをいただいているようなもの」と語るほど楽しむ。

まずはプロトコルについて

 プロトコルとは、出場選手一人一人の採点表。試合後に公表され、オンライン上で無料で公開される。演技の評価を確認できる。

■もう少し詳しい点数の見方はこちらから

フィギュアスケートはどうやって点数を付けるの? 採点方法を解説

激アツの木下グループ杯

 ―木下杯は島田麻央さんが優勝されました。終わってみて今感じていらっしゃることとか、感想はありますか。

 「シーズン開幕戦なのに、すでに激アツというか、すごい試合だったなぁと思っています。現地観戦ができなかったので、すごく悔しくて。(アレクサンドラ・)トゥルソワ(現在はイグナトワ)が出産をして、4回転ルッツを跳べるって、とてつもないことだと思いましたし。そういう国際大会が久しぶりな選手もベストを尽くしてくる中で、島田さんの演技はシニアデビューとして本当にすばらしかったなと思いました」

 ―早速、SPのプロトコルについてですが、まずどこから見ていますか。

島田麻央選手の木下杯SPのプロトコル

 「私はまずプロトコルにチェックが付いているかを見ます。左側に実施した技が書かれています。上からトリプルアクセル(3A)や、トリプルフリップ(3F)、トリプルルッツ+トリプルトウループ(3Lz+3T)とジャンプの名前が書いてある横に、例えば、この島田さんのショートプログラムのプロトコルだと、トリプルアクセル(3A)の横に“q”というマークが付いているじゃないですか」

 「これはクォーター、4分の1回転、ギリギリ足りてないという判断をされているときなんです。基礎点は引かれないんですけど、GOE(出来栄え点)からちょっとマイナスされてしまうという条件が設けられるんですよね。こういう風に回転不足などの細かい評価を見ることができます」

 「ジャンプのエラーって、3段階あって、4分の1回転以上足りていないという『アンダーローテーション』と、それより多く、半回転以上足りていないという評価の『ダウングレード』があります」

木下グループ杯 島田 麻央
前山 千尋

この記事を書いた人

前山 千尋 (まえやま・ちひろ)

デジタルコンテンツ部記者。2007年入社。青森、京都支局を経て、文化部で美術や建築、教育、ジェンダー問題などを担当してきた。山梨県出身。

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