フィギュア音楽、著作権問題の背景は? 町田樹さん「個人で処理は現実的に不可能」 米国は管理事業者と契約「日本も同様の動きを」

取材に応じる国学院大の町田樹准教授=5月13日、東京都内

 フィギュアスケートで使用する音楽の著作権を巡り、日本スケート連盟が強化選手に対して、遅くとも5月中に権利許諾を得るよう徹底を求める通達を出した。しかし、著作権に対する選手の理解は深いとは言えず、国際スケート連盟(ISU)や日本スケート連盟の体制も十分に整備されていない。現場では演目の変更など、混乱が起きている。2014年ソチ冬季五輪男子代表で著作権に詳しい国学院大の町田樹准教授(スポーツ科学)に、問題点や対応策を整理してもらった。(聞き手 藤原慎也)

 ―選手やコーチから戸惑いの言葉が聞かれます。問題点はどこにあるのでしょうか。
 「フィギュアは音楽を使わなければ成立しない競技です。言ってみれば、音楽著作物がエッセンシャルな競技にもかかわらず、これまで著作権処理の体制が全く整備されていなかったというところが根本的な問題ですね」

ソチ冬季五輪男子SPで声援に応える町田樹=ソチ(共同)
藤原 慎也

この記事を書いた人

藤原 慎也 (ふじわら・しんや)

全国紙で5年間の勤務を経て、2014年に入社。名古屋でプロ野球中日を取材。2016年末に東京運動部へ異動し、フィギュアスケート、体操、パラスポーツを担当。だんじり祭りで有名な岸和田市育ち。